ジチテン

普通徴収

読み:ふつうちょうしゅう

意味

普通徴収とは、地方税の徴収方法の一つで、市町村等が税額や納期を記した納税通知書を納税義務者に交付し、納税義務者がこれに基づいて自ら税を納付する方式をいう(地方税法)。給与などから天引きする特別徴収に対する語である。

税を確実に集めながら、納税者と徴収する側の双方の手間をどう抑えるかは、徴収方法の設計にかかわる課題である。普通徴収は、納税義務者納税通知書を受け取って自ら納める最も基本的な徴収の形で、給与天引きになじまない税目や所得で用いられる。

町村は税額を計算して納税通知書を送り、納税者は通常は年四回の納期に分けて納付する。納付の手段は、金融機関の窓口や口座振替に加え、コンビニ納付やスマートフォン決済へと広がっている。個人住民税では給与所得者は特別徴収が原則となるため、事業所得者などが普通徴収の対象となり、固定資産税自動車税種別割なども普通徴収によって課される。自ら納める方式であるがゆえに納め忘れによる滞納が生じやすく、督促滞納整理の事務をどう効率化するかが運用上の課題となる。

特別徴収との使い分けと滞納の生じやすさ

普通徴収と特別徴収のどちらで課すかは、税目と所得の性質によって決まる。給与のように支払者が把握していて天引きしやすい所得は特別徴収に向き、事業所得や不動産所得のように支払者を介さない所得、また固定資産税のように資産そのものに課す税は普通徴収となる。普通徴収は、納税者が自分の意思で納付の手続きをとらなければならないため、納期を過ぎてしまう納め忘れや、資金繰りの都合による滞納が構造的に生じやすい。市町村にとっては、督促状の発送、催告、財産調査、差押えといった滞納整理の事務が普通徴収を中心に発生し、徴収率をどう維持するかが税務行政の重い課題となる。

個人住民税における特別徴収の原則化

個人住民税では、かつて事業所が手続きの負担を避けて普通徴収を選ぶ例が少なくなかったが、給与所得者については本来は特別徴収が法律上の原則である。徴収率の向上と納税者の利便のため、近年は都道府県と市町村が連携して、給与を支払う事業所を特別徴収義務者として一斉に指定し、特別徴収への切替えを進める取組が全国で広がった。この結果、給与所得者の普通徴収は縮小し、普通徴収が担う領域は事業所得者や年金所得者などに整理されてきている。徴収方法の選択が、納税者の任意ではなく制度の原則に沿って運用されるよう改められた例である。

つながりのある用語

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