ジチテン

滞納整理

読み:たいのうせいり

意味

滞納整理とは、地方税・保育料・国民健康保険料・介護保険料等の地方公共団体の収入について、期限までに納付されなかった場合(滞納)に、督促・催告・差押え・換価・配当等の手続きを経て徴収を確保する一連の行政実務のことである。地方税の滞納整理は地方税法・国税徴収法(準用)に基づいて行われる。

納期限までに納められない税や保険料をそのままにすれば、納期内に納めた住民との公平が崩れ、自治体の財源も欠ける。滞納整理は、督促から差押え・換価・配当までの手続きによって滞納となった収入を確保する一連の実務であり、納税の秩序と歳入の公平を保つ点が肝心である。

地方税の滞納整理は市区町村の収納担当課(収税課・税務課等)が担い、納期限後20日以内の督促状の発送(地方税法第329条等)に始まり、催告・電話・戸別訪問による納付交渉、預金・給与・不動産などの差押え、差押財産の換価(公売・取立て)、換価代金の充当(配当)へと進む。滞納額の大きい事案を都道府県の地方税滞納整理機構へ移管し、広域的に対応する例もある。

差押えと換価の実務

地方税の差押えは、地方税法が国税徴収法の例によると定める(地方税法第68条等)ため、基本的に国税滞納処分と同じ手続きに従う。差押えの対象となる主な財産は、銀行・信用金庫への照会で残高を確認する預金口座、第三債務者へ取立てを通知する給与・年金、貴金属や家電などの動産、登記所に差押登記を行う不動産である。差押え後の換価(公売・取立て)で得た代金を滞納税額に充て、残余があれば返還する。滞納者の状況によっては「換価の猶予」「差押えの猶予」が認められる場合もある(地方税法第15条の6等)。

不能欠損と徴収猶予

徴収が困難な滞納については「不能欠損(不納欠損)」として帳簿から落とす処理がある。これが認められる主な事由は、消滅時効の成立(地方税の時効は原則5年)、滞納者に財産がなく強制執行しても徴収できないことが明らかな場合、生活保護受給者への配慮など滞納処分の停止を要する場合である。滞納処分の停止(地方税法第15条の7)によって一定期間は強制措置を止めることができ、停止が3年間続けば納税義務は自動的に消滅する。

全庁的な収納体制の強化

税の滞納整理だけでなく、保育料・給食費・住宅使用料・保険料等の多様な歳入についても適正な滞納整理が不可欠である。自治体によっては収納専門部門(収納センター等)を設置し、複数の歳入を一元的に滞納整理する体制を構築している。コンビニ収納・スマートフォン決済等の納付手段の多様化で納付しやすい環境を整えることが、滞納発生の予防に有効である。また、滞納の原因が一時的な生活困窮にある場合は、納付の相談を福祉部門や就労支援につなぐことで、強制徴収に頼らず納付を回復させる取組も広がっている。

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