地方税法とは、地方公共団体が賦課徴収できる地方税の税目・課税客体・課税標準・税率等の基本事項を定める法律(昭和25年法律第226号)のことである。地方税の大綱を法定しつつ、一定の範囲内で地方公共団体が条例によって税率を変更(超過課税・軽減)したり、法定外税を設けたりする余地を認める「枠組み法」としての性格を持つ。
自治体が課税をまったく自由に行えれば、二重課税や過大な負担で住民・企業が混乱し、自治体間の不公平も生じる。地方税法は、地方公共団体が課せる税の税目・課税客体・課税標準・税率などの基本を定める法律であり、課税の大枠を全国共通で法定しつつ、条例で地域の実情に応じた調整を認める枠組みを与える点が肝心である(昭和25年法律第226号)。
都道府県税と市町村税の双方を規定し、固定資産税・住民税・事業税などの税目ごとに課税要件・申告・納付の手続を定める。地方公共団体はこの法律が定める標準税率に基づき税条例を制定して徴収事務を行う。地方分権の流れのなかで改正が重ねられ、法定外税・超過課税・免税点の変更など、地域の実情に応じた課税の余地が拡大してきた。
地方税の体系
地方税は都道府県税と市町村税に大別される。都道府県税の主なものは、都道府県民税(個人・法人)、事業税(法人・個人)、地方消費税、自動車税、不動産取得税であり、市町村税の主なものは、市町村民税(個人・法人)、固定資産税、都市計画税、軽自動車税、国民健康保険税(または保険料)などである。地方消費税は都道府県が賦課徴収し、その清算後の税収を市町村に交付する仕組み(地方消費税交付金)がある。住民税や固定資産税は税収が安定する一方、法人関係の税は景気に左右されやすく、どの税目をどの団体に割り当てるかが財政の安定性と税源の偏在をめぐる論点となる。
標準税率・制限税率・超過課税
地方税法は各税目について「標準税率」(特別の事情がない限り適用すべき率)と「制限税率」(超えることができない上限の率)を定める。標準税率と制限税率の間での増税(制限税率内の超過課税)は自治体が条例で行うことができ、固定資産税(標準税率1.4%)の超過課税や、都市計画税の超過課税等の事例がある。標準税率を下回る軽減(任意軽減)も条例で可能で、財政的に余裕のある自治体が行政サービス向上を目的として実施する場合がある。
法定外税の制度
地方税法第733条以下(都道府県)・第733条の2以下(市町村)は、地方公共団体が地方税法に定める税目以外の「法定外税」を条例で設けることを認める。法定外税の新設には総務大臣への事前協議と同意が必要で、既存の国税・地方税と課税客体が重複しないこと等の要件がある。代表例として宿泊税(東京都等が導入した法定外目的税)・核燃料税(原子力発電所設置道府県)・産業廃棄物税(30以上の都道府県が導入)等がある。
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