地方分権改革とは、国から地方公共団体へ権限・財源を移譲し、地域の実情に応じた自律的な行政を可能にする一連の制度改革の総称である。1999年の地方分権一括法施行を起点に、「提案募集方式」による継続的な改革が現在も進められている。
地方分権改革の出発点は「地方分権推進委員会」(1995年設置)による勧告であり、その成果が「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」(地方分権一括法)として1999年に成立・2000年施行された。この改正により機関委任事務が廃止され、自治事務・法定受託事務の2区分が設けられた。地方分権改革は一度の改正で完結するものではなく、国と地方の役割分担・権限配分を継続的に見直す政策過程として位置付けられる。
主要な改革の流れ
①第1次地方分権改革(1999〜2000年): 機関委任事務廃止・自治事務と法定受託事務の区分・国の関与の縮小。②三位一体改革(2004〜2006年): 国庫補助負担金の削減・税源移譲(所得税の一部を住民税へ)・地方交付税の見直しが一体的に行われた。③第2次地方分権改革(2006年〜): 義務付け・枠付けの見直し・提案募集方式による継続的改革が進められている。
義務付け・枠付けの見直し
「義務付け」とは、地方公共団体に特定の事務・施設の設置等を義務付ける国の法令規定を指す。「枠付け」とは、事務・施設の構造・人員配置・手続き等の基準を国が詳細に定めることを指す。第2次改革では、条例への委任(「条例でこれと異なる基準を定めることができる」旨を法令に明記すること)による地方の自由度拡大が推進された。
提案募集方式
2014年以降、地方6団体・個別の自治体等からの提案を受け付けて毎年度改革を積み上げる「提案募集方式」が採用されている。「地方分権改革推進本部」(本部長:内閣総理大臣)のもとで処理方針を策定し、法令改正に結び付けていく仕組みである。
国と地方の協議の場
地方分権改革の推進にあたり、「国と地方の協議の場」(法律に基づく定期的な協議機関:2011年法制化)が設けられている。国務大臣と地方6団体(全国知事会・全国都道府県議会議長会・全国市長会・全国市議会議長会・全国町村会・全国町村議会議長会)の代表が定期的に協議する場であり、地方への権限移譲・規制緩和等の課題が議論される。提案募集方式もこの協議の延長線上に位置付けられる。
地方分権改革の成果は法令の改正件数だけでなく、自治体が実際に条例制定権を活用して地域の実情に合った制度を設計できているかどうかで評価される。義務付け・枠付けが緩和された分野で先進的な条例を制定した自治体の事例は、他の自治体の参考例として総務省・地方6団体が情報共有している。
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