権限移譲とは、都道府県が持つ許認可等の権限を、条例等により基礎自治体(市町村)へ移す地方分権の制度的措置で、事務と財源をあわせて移譲する点が行政権限の再配分の核心にある。
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地方分権一括法(2000年施行)以降、国から都道府県、都道府県から市町村への権限移譲が段階的に進められており、地方分権改革有識者会議が毎年度「提案募集方式」で自治体からの権限移譲・規制緩和の提案を受け付けている。権限移譲により市町村は住民に身近な行政を一元的に担うことができる反面、専門職員の確保・処理件数の増加への対応・財源の担保という3つの課題を同時に抱えることになる。都道府県から市町村への移譲の代表例として、飲食店等の食品衛生法上の許可権限(中核市以上に移譲済み)・建築確認(建築主事を置く市区町村)・農地転用許可(4ヘクタール以下の一般農地)等がある。
移譲の法的仕組み
権限移譲は①法律の改正・政令による移譲(標準的移譲)、②都道府県条例による移譲(地方自治法第252条の17の2・17の3)、③個別自治体との協議(権限条例・事務処理の特例)の3経路で行われる。都道府県条例による移譲では、移譲する事務の範囲・手続き・財源(交付金・負担金等)を条例に明記することが法的安定性の観点から不可欠である。
権限移譲に伴う財源措置
権限移譲に伴い追加される事務コストは都道府県から市町村への交付金(事務委託交付金・権限移譲事務交付金)で賄われるのが原則だが、交付金額の算定が実際の事務量を下回るケースも生じる。国から地方への法定移譲では地方財政計画に歳出増として反映され、地方交付税の基準財政需要額に算入されるが、実際の単位コストとの乖離が市町村の財政を圧迫することがある。
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