税務署とは、国税庁の地方支分部局として、所得税・法人税・消費税・相続税など国税の賦課徴収を第一線で担う国の行政機関である。
確定申告の時期に住民から「申告は市役所か税務署か」と尋ねられたとき、自治体の税務担当はその役割分担を正しく説明できなければならない。税務署は国税庁の下に置かれる地方支分部局で、国税庁・国税局・税務署という三層の執行組織の末端として、管轄区域内の国税の申告受付・調査・徴収を担う。地方税を扱う自治体の税務課とは所管が異なるが、両者は個人の所得情報を介して密接に連携する。個人が税務署へ提出した所得税の確定申告書のデータは、地方税法第317条の6などに基づき市区町村へ回付され、個人住民税の課税資料として用いられる。所得税の更正・決定があれば、それに連動して住民税も是正される。事業者が行う給与支払報告書の提出や年末調整、特別徴収の事務も、所得税の源泉徴収と一体で動くため、自治体の課税実務は税務署の動きと切り離せない。eLTAX(地方税ポータルシステム)とe-Tax(国税電子申告)の連携が進み、申告データの電子的なやり取りも拡大している。
国税の三層執行組織における位置
税務署は、国税庁・国税局(沖縄は沖縄国税事務所)・税務署という三層構造の国税執行組織の末端に置かれ、納税者と直接接する第一線の機関である。国税庁が制度の企画と全国の統括を担い、国税局が広域ブロックの指導監督と大規模法人・滞納事案を所管し、税務署が管轄区域内の個々の納税者に対する申告受付・税務調査・徴収を実施する。全国に約520の税務署が置かれ、それぞれ総務課のほか個人課税・法人課税・資産課税・徴収の各部門を備える。地方公共団体が地方税を独自の課税権で賦課徴収するのに対し、税務署は国の機関として国税のみを扱い、両者は組織として別系統であるが、所得情報をやり取りする関係にあり、課税実務上は不可分である。
自治体の課税実務との連携
自治体の個人住民税は所得税の課税資料を基礎に算定されるため、税務署との情報連携が課税実務の前提となる。所得税の確定申告書は地方税法第317条の3・第317条の6に基づき市区町村へ回付され、住民税の課税資料となるほか、住民が市区町村へ提出した住民税申告は所得税の申告を兼ねる扱いがある。所得税について税務署が更正・決定や調査による所得の是正を行うと、市区町村はこれを受けて住民税を是正する(いわゆる国税連動)。事業者からの給与支払報告書や、源泉徴収・年末調整・特別徴収といった給与所得に関する事務は所得税と住民税で連動し、近年はeLTAXとe-Taxの連携により申告・納付データの電子的な相互利用が進む。自治体の税務担当は、こうした国税と地方税の接続点を理解しておく必要がある。
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