税率とは、税額を算出するために課税標準に乗じる割合または課税標準の一単位あたりに定められた金額をいう。
ある税の負担がいくらになるかは「課税標準×税率」で決まり、税率は課税標準と並んで税額を左右する課税要件の中核要素である。税率には課税標準に百分率を乗じる定率税率と、数量や件数の一単位ごとに金額を定める定額税率があり、地方税では固定資産税の1.4%のような定率税率と、たばこ税のような従量の定額税率が併存する。地方税の税率は地方税法が標準税率を示し、団体は条例で具体的な税率を定めるが、その際に税率をどの水準に設定できるかは標準税率・制限税率・一定税率の別によって異なる。標準税率を採る団体が財政上の必要から標準税率を超えて課す超過課税や、制限税率の範囲内での税率設定は、課税自主権の発露として実務上の判断対象になる。税率は条例事項であり、地方税条例主義のもとで条例の根拠なく税率を定めて課税することはできない。
標準税率・制限税率・一定税率の別
地方税法は税目ごとに税率の定め方を区分しており、団体が税率をどこまで動かせるかはこの区分で決まる。標準税率は、団体が通常よるべき税率として法が示す基準であり、財政上その他の必要があれば団体はこれと異なる税率を条例で定めることができる。制限税率は、団体が定められる税率の上限であり、これを超える税率は設定できない。一定税率は、法が定める税率以外を採ることを認めない税率であり、地方消費税のように全国一律であるべき税に用いられる。標準税率を超えて課税する超過課税は、標準税率を採りつつ制限税率の範囲内で上乗せする形で行われ、住民税の超過課税などが実例である。税率の区分を取り違えると、適法に設定できない税率を条例化してしまう違法課税につながるため、賦課の前提として正確な理解が要る。
定率税率と定額税率
税率は課税標準への乗じ方によって定率税率と定額税率に分かれる。定率税率は課税標準に一定の割合(百分率や千分率)を乗じて税額を算出するもので、固定資産税の1.4%や個人住民税所得割の標準10%がこれにあたり、課税標準が大きいほど税額が比例して増える。定額税率は課税標準の一単位ごとに金額を定めるもので、たばこ税の本数あたりの金額や、均等割のように所得の多寡にかかわらず一定額を課すものが該当する。定率税率には所得が高いほど税率自体が上がる超過累進税率もあるが、地方税の所得割は比例税率を基本とする。同一の税でも、応能負担の要素を持たせる部分は定率、応益負担として広く薄く負担を求める部分は定額(均等割)というように、税率の種類を組み合わせて負担構造が設計される。
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