市町村税とは、市町村(特別区を含む)が課税団体となって賦課徴収する地方税の総称をいう。
住民が固定資産税や住民税を納める先が市町村であるのは、これらが課税団体を市町村とする市町村税だからであり、同じ地方税でも自動車税のように道府県へ納めるものとは課税団体が異なる。地方税は課税団体によって市町村税と道府県税に大別され、地方税法は第3章で市町村税の税目を定めている。市町村税の二本柱は固定資産税と市町村民税(個人・法人)であり、両者で市町村税収の大半を占める点が、法人課税と消費課税の比重が大きい道府県税との構造上の違いである。このほか軽自動車税・市町村たばこ税・都市計画税・事業所税などがあり、目的税である都市計画税や入湯税のように使途を特定する税目も含まれる。市町村税収は景気変動の影響を受けにくい資産課税(固定資産税)の比重が大きく、安定財源として基礎自治体の歳入を支えている。なお東京都の特別区では、本来は市町村税である固定資産税などを都が課税する特例があり、課税団体の区分が一部組み替えられている。
市町村税の税目体系
地方税法は市町村税を普通税と目的税に分けて規定する。普通税の中心は市町村民税(個人・法人)と固定資産税で、この二つで市町村税収の大半を構成する。固定資産税は毎年1月1日(賦課期日)現在の土地・家屋・償却資産の評価額に課税標準を置く資産課税であり、景気に左右されにくい安定財源として基礎自治体の歳入の柱となる。このほか普通税には軽自動車税種別割・環境性能割、市町村たばこ税、鉱産税、特別土地保有税(現在は課税停止)がある。目的税には、都市計画事業の財源に充てる都市計画税、温泉地で課す入湯税、事業所の規模に応じて課す事業所税(指定都市等のみ)などがあり、それぞれ使途が法令で特定されている。
課税と賦課徴収の方式
市町村税は税目ごとに賦課徴収の方式が異なる。固定資産税・都市計画税は市町村が税額を計算して納税通知書を送る普通徴収(賦課課税方式)であり、納税義務者は通知された額を納付する。個人市町村民税は、給与所得者については特別徴収義務者である事業主が毎月の給与から天引きして納める特別徴収が原則で、それ以外は普通徴収となる。市町村は固定資産課税台帳・名寄帳によって課税客体と課税標準を把握し、評価替えは3年ごとに行われる。標準税率を超えて課す超過課税や、条例による法定外税の創設も認められており、課税自主権の範囲内で各市町村が独自の税制を設計できる。
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