指定避難所とは、災害対策基本法第49条の7に基づき市区町村長が指定する施設であり、災害により住居に戻れない被災者が一定期間滞在し生活の場として利用する施設である。
平成25年の災害対策基本法改正で「指定緊急避難場所」から法的に分離された。指定避難所は被災者が災害危険がなくなるまで一定期間滞在するとともに、避難者への食料・日用品等の物資配給の拠点となる(同法第49条の7第1項)。学校体育館・公民館・集会所等が多く指定されており、市区町村が施設の所有者(教育委員会・社会福祉法人等)と事前協定を結んで開設・運営する体制を整備する。
指定要件と福祉避難所
指定要件は①被災者等を収容するに足りる規模を有すること、②速やかに被災者等の受入れが可能な構造・設備を有すること、③想定される災害による影響が比較的少ないこと(浸水区域・土砂災害警戒区域外等)、④被災者等の生活環境を整えるために必要な管理体制が整備されていること等だ(同条第2項)。 要配慮者(高齢者・障害者・妊産婦・乳幼児等)が生活しやすい「福祉避難所」は一般の指定避難所とは別に指定され(第49条の7第1項・第2項)、バリアフリー環境・専門スタッフの配置が求められる。令和3年改正で福祉避難所に直接避難できる体制整備が推進されており、あらかじめ受入れ対象者を特定した「受入れ対象者の明確化」が自治体に求められている。
避難所運営のガイドライン
内閣府の「避難所運営ガイドライン(令和4年改定)」では、生活環境の維持(プライバシー確保・衛生管理)・情報伝達・ペット同行避難・女性・子ども・要配慮者への配慮等が示されている。避難所運営は被災した市区町村職員と地域住民が協力して行うが、担当者自身も被災者となるケースがあるため、事前の避難所運営マニュアルの整備と訓練が不可欠だ。
備蓄と開設準備
指定避難所には食料・飲料水・毛布・簡易トイレ等の備蓄を計画的に行い(災害対策基本法第49条の11・第49条の12)、定期的な補充・廃棄サイクルの管理が必要だ。避難所の開設・閉鎖の判断基準・手順を地域防災計画に明記し、担当職員の役割分担を事前に周知しておくことが初動の混乱を防ぐ。
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