介護認定審査会とは、介護保険法に基づき市区町村(または複数市区町村の共同設置)に設置される合議体であり、主治医意見書・コンピュータによる一次判定結果をもとに要介護度(要支援1〜2・要介護1〜5)を最終的に判定する審査機関である。
介護保険の要介護認定は2段階の判定プロセスからなる。①一次判定:認定調査員が被保険者宅を訪問して74項目の認定調査を実施し、その結果をコンピュータで処理して要介護度の一次判定値を算出する。②二次判定(介護認定審査会):一次判定結果・主治医意見書・認定調査の特記事項をもとに合議体が審議して最終的な要介護度を決定する。二次判定では個別の生活実態・疾患の特性を踏まえ、一次判定値から上下に修正することができる。
審査会の構成
審査会委員は、医師・歯科医師・薬剤師・看護師・介護福祉士等の医療・保健・福祉の専門家から任命される(5人1合議体が標準)。合議体は複数設置されるのが一般的で、市区町村の申請件数に応じて合議体の数を調整する。委員の任期は2年(再任可)で、直接的な利害関係者が委員になれない旨の規定を設けることで中立性を確保する。委員の確保が困難な小規模市区町村では、複数の市区町村が共同で審査会を設置する広域化も認められている。
市区町村の事務
市区町村は①認定調査員の派遣・調査の実施、②主治医への意見書作成依頼(文書料は介護保険の費用から支出)、③審査会事務局としての書類整理・合議体の開催調整、④認定結果の被保険者への通知を担う。要支援・要介護認定は原則として申請から30日以内に行う義務があり(介護保険法第27条第11項)、期限を超える見込みの場合は被保険者への通知が必要である。
更新認定と区分変更
認定の有効期間(原則1〜2年)が満了する前に更新認定申請が必要である。心身の状態が認定内容と大きく乖離した場合は、有効期間内でも「区分変更申請」によって再審査を申請できる。介護認定審査会は更新・区分変更の申請についても同様の手続きで二次判定を行う。
認定不服申立て
要介護認定の結果に不服がある被保険者は、都道府県の「介護保険審査会」に審査請求を申し立てることができる(介護保険法第183条)。審査請求は認定結果を知った日の翌日から60日以内に行う必要がある。市区町村は審査請求書の受理・関係書類の整備・介護保険審査会への送付を担う。審査請求とは別に、認定前であれば区分変更申請によって再審査を求める方法もある。
要介護認定を適切に行うためには、認定調査員の研修・質の確保が重要である。調査票の記入方法・特記事項の書き方に調査員によるばらつきが生じると二次判定の精度にも影響するため、市区町村は認定調査員への定期的な研修・事例検討を行う。
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