生活保護法
読み:せいかつほごほう
生活保護法とは、生活困窮者に対して生活・住宅・医療・教育・介護等の扶助を国が定める基準に基づいて行う公的扶助制度の根拠法をいう。最低生活の保障と自立助長を基本原理とする。
定義と基本原理
生活保護法(昭和25年法律第144号)は日本国憲法第25条(健康で文化的な最低限度の生活を営む権利)を具体化した法律であり、生活に困窮する国民に対して最低生活の保障と自立助長を目的として各種扶助を行う制度の根拠法である。生活保護の基本原理として、①国家責任(国が最低生活の保障義務を負う)、②無差別平等(困窮の原因・過去の行為を問わず保護)、③最低生活保障(健康で文化的な生活水準)、④補足性の原理(資産・能力・他の法制度による支援の活用が前提)の4原理が定められている。
扶助の種類
生活保護の扶助として生活扶助・住宅扶助・医療扶助・介護扶助・教育扶助・出産扶助・生業扶助・葬祭扶助の8種類がある。最も費用が大きいのは医療扶助であり、保護費の約50%を医療扶助が占める状況が続いている。生活扶助は食費・日用品費等の日常生活費に充てるものであり、世帯構成・年齢・地域差(1〜3級地)に応じた基準額が厚生労働大臣の告示で定められる。住宅扶助は家賃・地代等の住居費に充てるものであり、都市部では住宅費用の高騰に対応した上限額引き上げが継続的な課題となっている。
実施機関と業務
生活保護の実施機関は都道府県・市・福祉事務所を設置する町村の長であり、日常の業務は福祉事務所(現業員・査察指導員・嘱託医等)が担当する。査察指導員は複数の現業員を指導監督する役割を持ち、現業員(ケースワーカー)は担当世帯の訪問・扶助決定・自立支援計画の策定・就労支援等を担う。1ケースワーカーあたりの標準担当世帯数は80世帯(都市部)とされているが、保護受給者の増加により多くの自治体で基準を超える状況が続いている。
自立支援と保護の適正化
生活保護制度の課題として保護費の適正化(不正受給対策・適切な廃止・就労自立の促進)と、受給者の尊厳を守った自立支援の両立がある。2013年の生活保護法改正では不正受給への罰則強化・就労自立給付金制度の創設等が行われ、同時に生活困窮者自立支援法が制定されて保護に至る前の段階での自立支援体制が整備された。保護費の国・地方負担割合は国75%・地方25%であり、保護受給者数の増加は自治体財政への影響が大きく、適正な保護運営と財政管理の両立が担当部署に求められる。
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