消防費

読み:しょうぼうひ

消防費とは、目的別歳出の区分の一つで、常備消防(消防署・消防士)の運営・装備整備と消防団運営に充てられる経費の総称であり、消防の広域化に伴い消防組合等の一部事務組合へ分担金を支払う形で広域消防体制を維持している市町村も多い。

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消防費は市区町村が担う消防行政の経費を集めた目的別歳出の区分である。主な内容として消防署の職員(消防士)の人件費・消防車両(ポンプ車・はしご車・救助工作車等)・救急車の整備費・消防庁舎の建設・維持管理費・救急業務に係る経費(救急資器材・研修費)・消防訓練費・防火広報費等が含まれる。消防団(非常備消防)への補助・装備費・消防団員への報酬・費用弁償等も消防費に含まれる。

小規模市町村では自ら消防署を維持することが財政的・人員的に困難なため、複数市町村が一部事務組合(消防組合・消防一部事務組合)を設立して消防業務を共同で実施するケースが多い。この場合、個々の市町村の消防費は消防組合への分担金補助費等)として計上される。常備消防の広域化・連携強化は総務省消防庁が推進している政策であり、消防の広域化計画の策定が促されている。

人件費と財政への影響

常備消防の経費の中で最大割合を占めるのは消防士の人件費である。24時間交代制勤務(3交代・2交代等)のため、一定の要員数を維持するには相応の人件費が固定的に必要となる。住民の生命・財産を守る消防力の維持という観点から、財政的に厳しい状況でも消防力の削減には限界がある。総務省消防庁が定める「消防力の整備指針」(告示)では必要な消防力の水準が示されており、財政担当者は自団体の消防力の現状と基準の乖離を把握して将来の整備計画を検討する。

救急行政の変化

救急出動件数の増加・高齢者の救急需要の拡大に伴い、救急体制の充実(救急救命士の養成・高度救急資器材の整備)に係る経費が消防費の中で増加傾向にある。また救急車の適正利用推進・住民への応急手当て普及講習等の啓発経費も消防費(消防費・防火費等)に計上される。救急と消防の両機能を財政的に維持する観点から、消防費の長期的な水準の管理が市区町村の財政担当部門の課題となっている。

常備消防の広域化

総務省消防庁は消防の広域化を推進しており、小規模市町村による単独消防本部の運営から近隣市町村との一組合方式・指令センターの共同化等への移行が進んでいる。広域化によって消防士の専門性向上・高度な装備の導入・24時間体制の強化等が図られる一方、分担金の算定・施設配置の合意形成等が実務的な課題となる。財政担当者は広域化の際の分担金の計算根拠・将来の見通しを確認し、消防費の中期財政計画への影響を分析する実務が必要となる。

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