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ジチテン

開票

読み:かいひょう

意味

開票とは、選挙投票用紙を点検して候補者・政党ごとの得票数を確定する局面である。公職選挙法に基づき、開票管理者が管理する開票所において開票立会人立会いのもとで行われる。

投じられた一票が正確に数えられ結果へ反映されることは、選挙の信頼そのものを支える要である。開票は、投票という入口で集められた票を点検・判定・計算して当落という出口へつなぐ局面で、ここでの判断の正確さと公正さが選挙結果の正当性を決める。作業はまず投票箱の開披から始まり、投票用紙を候補者・政党ごとに分類したうえで、各票が要件を満たすかにより有効投票無効投票に区分し、判断に迷う票は疑問票として抜き出して合議で処理する。誰の得票か一意に定められない票は按分票として各候補者の得票数に比例配分し、確定した得票数は開票録に記録されて選挙長へ報告される。一票の差で当落が分かれることもあるため、開票の各段階は開票立会人立会いと二重点検によって慎重に進められ、その経過は後の選挙争訟当選争訟で手続の適法性を検証する一次資料となる。

開票の場所と区域

開票は、開票管理者が管理する開票所において行われる。開票所は開票区ごとに設けられ、各投票所から送致された投票箱を一か所に集めてまとめて点検・集計する施設である。その単位となる開票区は、原則として市区町村の区域をもって一開票区とし、指定都市では行政区ごとに、また選挙管理委員会が特に必要と認めるときは区域を分けて複数の開票区を設けることができる。投票事務の単位である投票区が投票箱を「集める前」の区域であるのに対し、開票区は投票箱を「集めた後」の得票集計の単位という関係にある。小規模な自治体では市区町村全域を一開票区・一開票所とし、大規模な自治体では複数の開票所を設けるか、誤集計を防ぎ効率を高めるために一か所へ集める集中開票をとる例が増えている。

開票事務に従事する者

開票事務の責任者は開票管理者で、市区町村の選挙管理委員会が当該選挙の選挙権を有する者の中から選任する。開票管理者は投票箱の開披、投票の点検、各票が有効か無効か・どの候補者の得票かの決定、按分票の算定、開票結果の選挙長への報告までを担任し、事故に備えて職務代理者をあらかじめ定めておく。投票の効力の決定は開票管理者が単独で行うのではなく、開票立会人の意見を聴いたうえで決するという二段構えがとられ、特定の者の恣意で票の効力が左右されないよう担保されている。開票立会人は、開票作業が適正に行われているかを候補者や政党の側から監視するために候補者等が届け出て選任される者で、票の分類・計数・審査の各過程に立ち会い、疑問票の判定に意見を述べ、手続への異議を申し立てることができる。投票所の事務を担任する投票管理者投票立会人とは別の事務であり、選挙の入口と出口で別の管理者・立会人が公正を担保する仕組みになっている。

票の判定と計算

開票の中核は、一票ごとの効力を判定し得票数を計算することにある。投票用紙を候補者・政党ごとに分類したうえで、記載や様式が法令の要件を満たし誰への投票か判別できるものを有効投票、所定の用紙でない・候補者を特定できない・他事を記載するなど要件を欠くものを無効投票とする。有効か無効か、また誰への投票かが直ちに定まらない票は疑問票として抜き出し、開票管理者が開票立会人の立会いを経て有効・無効を判定する。誤字・略字や通称であっても、その候補者を指すことが明らかであれば有効として扱う運用が積み重ねられている。同一氏名や類似の氏名の候補者が複数いて帰属を一つに定められない票は按分票として、各候補者のそれまでの確定得票数の比に応じて按分計算で配分され、小数点以下まで得票が生じる。疑問票・無効投票・按分票は同じ平面に並ぶ選択肢ではなく、疑問票という判定段階を経て有効・無効・按分のいずれかへ振り分けられる関係にある。なお、当選者の決定に結びつかなかった落選候補者への票を死票と呼ぶが、これは票の効力区分ではなく選挙制度の比例性を論じる際の概念である。

開票録への記録と結果の確定

開票管理者は、開票区ごとに開票に関する顛末を開票録に記載して作成する。開票録には、開票の開始・終了時刻、開票管理者および開票立会人の氏名、各候補者・各名簿届出政党等の得票数、無効投票数、按分票の処理、異議の申出とその処理などを記し、開票立会人が署名する。投票録に記録された投票総数と、開票で集計された有効投票数・無効投票数の合計とが一致するかの突合は票の過不足を発見する基本手続であり、不一致があればその原因と処理を開票録に明記する。確定した得票数は選挙長へ報告され、選挙会における当選人決定の基礎数値となる。実務では開票結果をまず速報として公表し、その後に確定情報を告示するが、一票の差で当落が決まることもあるため、疑問票の判定理由まで具体的に開票録へ残すことが、後に当落が争われた際の検証に耐える備えとなる。

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