公職選挙法(公選法)とは、衆議院議員、参議院議員、地方公共団体の議会の議員および長といった公職に就く者を選ぶ選挙について、選挙権・被選挙権、選挙区、投票や開票の方法、選挙運動の規制などを定めた法律である(昭和25年法律第100号)。
選挙は民主主義の根幹だが、誰が投票でき、どう立候補し、何をしてよいかが曖昧では、公正な競争も有権者の信頼も成り立たない。公職選挙法は、こうした選挙のルールを一つの法律にまとめ、公正と機会の平等を確保するために定められている。
もとは衆議院議員選挙法などと選挙ごとに分かれていた法律を、1950年に統合して作られた。国政選挙だけでなく、都道府県や市町村の議会議員・長の選挙にも適用され、地方の選挙実務の土台となっている。法律は、選挙権と被選挙権の要件、選挙区と定数、投票・開票・当選人の決定の手続を定めるとともに、選挙運動について、できる期間や方法、ビラやポスターの規格、戸別訪問の禁止、寄附の制限などを細かく規制する。違反には罰則があり、当選しても連座制により当選が無効となる場合がある。実際の選挙事務は、各選挙管理委員会がこの法律に従って執行する。
細かい選挙運動規制と「べからず法」
公職選挙法は、いつから選挙運動ができるか、配れる文書図画の種類と枚数はどれだけか、戸別訪問はしてよいか、飲食物の提供は許されるかといった事柄を、できることを限定して列挙する形で細かく規制している。このため、してはならないことを並べた「べからず法」とも呼ばれる。背景には、候補者の資金力や組織力の差が選挙結果を左右しすぎないよう、機会の平等を保つねらいがある。一方で、規制が複雑で一般の有権者や新人候補にはわかりにくいという指摘も根強く、インターネットを使った選挙運動の解禁など、時代に合わせた見直しが続いている。
連座制による当選無効
公職選挙法には、選挙の公正を候補者の周辺にまで広げて担保する連座制という仕組みがある。候補者本人だけでなく、出納責任者や親族、秘書など選挙運動の中心となった者が、買収などの選挙犯罪で有罪となった場合には、候補者本人が直接関与していなくても、その当選が無効となる。あわせて、一定期間、同じ選挙区からの立候補が制限される。これは、候補者に陣営全体の引き締めを促し、自らの周囲による違反を防がせることをねらった制度である。
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