疑問票とは、開票において記載内容や帰属が直ちに判別できず、有効か無効か、また誰への投票かの判断を要する投票用紙をいう。
一票差で当落が分かれる選挙で、開票事務の正確さを左右するのが疑問票の扱いである。投票用紙には候補者名や政党名が手書きされる(自書式)ため、誤字・略字・あだ名・複数氏名の記載・判読困難な文字などが一定数生じ、機械的には有効・無効を確定できない。こうした票を疑問票として通常票から抜き出し、開票管理者が有効無効を判定し、必要に応じて特定の候補者の得票として算入し、または無効とする。判定にあたっては開票立会人の立会いを経ることが公職選挙法で定められ、立会人が異議を述べた票は合議で処理される。同一氏名・同一名字の候補者が複数いる場合に按分が必要となる票も、まず疑問票として選別される。判定結果は開票録に記録され、当選争訟・選挙争訟で票の有効無効が争われた際の検証対象となる。
疑問票の判定手続と立会人の役割
開票では、投票用紙を候補者・政党ごとに分類した後、有効・無効が直ちに定まらない票を疑問票として抜き出す。判定権者は開票管理者であり、公職選挙法は判定にあたり開票立会人の立会いを経ることを求める。立会人は判定に意見を述べることができ、判定に異議のある票は立会人の合議によって処理される。判定の結果は開票録に記載され、票の取扱いを事後に検証できるようにする。誤字・略字や通称の記載は、その候補者を指すことが明らかであれば有効として扱う運用が積み重ねられており、開票事務では過去の判例・実例を踏まえて判断する場面が生じる。一票の差が当落を分けうるため、疑問票一枚の判定が選挙の結果そのものを左右することがある。
無効票・按分票との区別
疑問票は最終的な票の種別ではなく、判定を要する段階の票を指す呼称である。判定の結果、有効投票に算入される票と、無効投票として確定する票に分かれる。同一の氏名や名字の候補者が複数いて記載からは一人に特定できない票は、按分票として各候補者の得票数に応じた按分計算で配分されるが、その選別もまず疑問票としての抜き出しから始まる。したがって疑問票・無効投票・按分票は同じ平面に並ぶ選択肢ではなく、疑問票という判定段階を経て無効・有効・按分のいずれかに振り分けられる関係にある。開票立会人の判断が分かれた票や、候補者側が後に有効無効を争う票は、いずれもこの判定過程から生じる。
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