当選争訟とは、選挙自体は有効であることを前提に、特定の者を当選人と決定したこと(または決定しなかったこと)の効力を争う異議の申出・審査の申立て・訴訟の総称である。
選挙のやり直しまでは求めないが、当選人の決定に誤りがあると考えるとき、何を争えばよいのか。当選争訟は、選挙の管理執行自体は適法であることを前提に、得票数の計算誤りや被選挙権・兼職禁止に触れる事由などを理由として、当選人決定の効力を争う争訟である。選挙人または候補者が、まず市町村の選挙管理委員会へ異議を申し出て、不服があれば都道府県の選挙管理委員会への審査申立て、さらに高等裁判所への訴訟へと進む。選挙そのものの効力を争う選挙争訟とは、有効・無効を判断する対象が当選人決定に限られる点で区別される。当選が無効とされると、繰上補充や再選挙によって当選人が定め直される。
何を争うか——選挙争訟との分担
当選争訟は、選挙の手続が適法に行われたことを前提に、その結果として誰を当選人としたかの当否だけを争う。典型的な争点は、得票数の計算や案分の誤り、被選挙権を欠く者の当選、兼職禁止規定への抵触、法定得票数の計算などである。これに対し選挙争訟は投票・開票など選挙の管理執行そのものの適法性を争う。実務では一つの不服に両方の性格が混在することもあるが、争う対象(選挙の効力か、当選人決定の効力か)で手続と効果が分かれるため、申立ての段階で整理が要る。
効果と是正
当選争訟で当選人の決定が無効と確定した場合、是正の方法は事案による。次点者がいるときはその者を繰り上げて当選人とする繰上補充が行われ、当選人を欠く結果となるときは再選挙が行われる。申出・申立て・出訴にはそれぞれ期間制限があり、当選の告示・通知から起算する期間内に行わなければ争えない。当選人本人の被選挙権の有無や兼職の解消の如何で結論が変わるため、選挙管理委員会は当選人の資格要件を告示前に確認する実務を重視する。
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