兼職とは、一人の者が二つ以上の職を同時に占めること、またはその状態をいう。地方公務員では、本来の職務に支障がないこと等を要件に、併任・兼務・充て職といった形で行われる。
組織には、一人の職員に複数の職を担わせたい場面がつきものである。新しい部署の立ち上げ、欠員の一時的な穴埋め、関係する委員会の委員への就任——いずれも、本来の職に加えてもう一つの職を持たせることになる。
兼職は、こうして一人が二つ以上の職を兼ねる状態の総称である。地方公務員では、別の任命権者の職に併せて任命する併任、所属を保ったまま別の職務も担う兼務、ある職にある者を当然に別の職へ充てる充て職といった形に整理される。いずれも本来の職務に支障がないことが前提で、無制限に職を兼ねられるわけではない。長と議員のように、法律で兼ねること自体が禁じられる組み合わせもある。
「兼職」は状態の総称——併任・兼務・充て職という形がある
兼職は特定の制度の名前ではなく、一人が複数の職を兼ねる状態をまとめて指す言葉である。地方公務員の人事では、その実現の仕方によっていくつかの形に分かれる。併任は、ある任命権者に属する職員を、身分を保ったまま別の任命権者の職にも任命するもので、国と自治体、本庁と出先機関の間などで用いられる。兼務は、現在の所属を保ちながら別の所属の職務も担当するもので、同一の任命権者の中で行われることが多い。充て職は、ある職に就いている者を、その地位にあることをもって当然に別の職に就かせる仕組みで、辞令ごとの判断を要しない点に特徴がある。どの形をとるかで、発令の手続や責任の所在の整理が変わる。
「兼ねられる」と「兼ねてよい」は別——支障の有無と兼職禁止
職を兼ねられること自体と、その兼職が認められるかは別の問題である。職員の兼職は、本来の職務の遂行に支障がないことが基本の前提となり、勤務時間が重なる場合の整理や、職務上の利害が衝突しないかの確認が必要になる。加えて、法律が特定の組み合わせの兼職そのものを禁じている場合がある。普通地方公共団体の長と議会の議員は兼ねることができず(地方自治法第141条)、職員と議員の関係などにも制限がある。これらの兼職禁止は、権力の分立や職務の公正を保つための歯止めであり、人事の都合で越えられるものではない。
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