ジチテン
意味

兼務とは、職員が現在の所属の職務を続けながら、同時に別の所属の職務も担当することをいう。

組織を動かしていると、一人の職員に二つの部署の仕事を持たせざるを得ない場面が出てくる。専任を置けない小規模な業務、新設部署の立ち上げ期、欠員が出た係の当面の穴埋め——いずれも、本務を続けながら別の職務も担ってもらう形で対応することがある。

兼務は、こうして現在の所属を保ちながら別の所属の職務も担当することをいう。同じ任命権者の組織の中で行われるのが通常で、別の任命権者の職にも任命される併任とは、その点で区別される。担当する業務が二つになるため、勤務の配分や指揮命令の系統、評価の責任をどう整理するかが運用上の課題になる。

「兼務」と「併任」を分けるのは任命権者をまたぐかどうか

兼務と併任は、どちらも一人が複数の職を担う点で似ているが、任命権者をまたぐかどうかで区別される。兼務は、同一の任命権者の組織内で、現在の所属を保ちながら別の所属の職務も担当するものを指すことが多い。これに対し併任は、ある任命権者に属する職員を、身分を保ったまま別の任命権者の職にも任命するもので、国と自治体や本庁と出先機関の間で用いられる。実務では、辞令の書き方や用語の使い分けが自治体の規程によって異なることもあり、同じ実態を兼務と呼ぶか併任と呼ぶかが揺れる場面もある。

二つの職務を負う者の指揮命令と勤務配分

兼務を発令すると、その職員は二つの所属の業務を同時に負う。どちらの業務にどれだけの時間を割くか、繁忙期が重なったときにどちらを優先するか、二人の上司の指示が食い違ったときにどう調整するか、といった問題が現実に生じる。本来は補助的・一時的な対応のはずが、慢性的な人手不足のなかで兼務が常態化すると、いずれの職務も中途半端になりかねない。発令にあたっては、担当の範囲と勤務の配分、指揮命令の系統をあらかじめ明確にしておく必要がある。

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