充て職(あてしょく)とは、ある職に就いている者を、その地位にあることをもって当然に別の職に就かせる人事の仕組みである。
委員会や審議会の委員、外郭団体の役員などを一人ひとり選ぶ代わりに、特定のポストにある者を自動的にその職へ就ける扱いがある。これが充て職で、副市長を特定の委員に、課長を関係団体の役員にといった形で、人ではなく職に紐づけて就任が決まる。
法令や例規、定款に根拠を置くものと、社会的な地位のある職を慣例で選ぶものがあり、首長はいくつもの充て職を抱える。任命の手間を省き所管との整合をとれる一方、本人の適性と無関係に就任が決まるため、独立して審議すべき附属機関の委員を充て職で固めると、機関の中立性が損なわれるという批判もある。
「その職に就けば自動的に」就任する仕組み
充て職の特徴は、本人の意思や個別の選任手続を経ずに、ある職に就いた瞬間、当然に別の職にも就く点にある。たとえば副市長を特定の委員会の委員に充てる、特定の課長を関係法人の役員に充てるといった形で、就任は人ではなく職に紐づく。その根拠には、法令・例規・定款に明文の規定を置くものと、社会的な地位のある職に就く者を慣例的に選ぶものとがある。地方公共団体の長は、こうした充て職を数多く自動的に抱えることになる。一人ひとりを選任する手間を省き、関係する組織との所管の整合をとりやすいのが利点だが、就任が職に固定されるため、その人物の適性や意欲とは切り離して就任が決まるという性格を併せ持つ。
附属機関の委員を充て職にすることの独立性の問題
充て職が問題になりやすいのが、審議会などの附属機関の委員である。附属機関は、執行機関から距離を置いて調査・審議し答申する役割を担うが、その委員を内部の職員や首長の充て職で固めると、執行機関の意向がそのまま通り、答申が追認の手続に形骸化しかねない。附属機関の委員は非常勤の特別職にあたり、充て職であっても委員報酬の支給や定数の扱いが論点になる。本来は外部の専門家や住民の視点を入れて中立性を保つべき機関に、内部の充て職を多用することへの見直しが各団体で進められており、充て職は事務の効率と機関の独立性とがぶつかる場面を象徴している。
つながりのある用語
関連
ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)