国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律とは、国・独立行政法人・地方公共団体等の発注機関が物品・役務を調達する際に、環境負荷の少ない「環境物品等」を優先的に購入することを定めた法律であり、公的機関の購買力を活用して環境配慮型製品の普及を促進するものである。
公的機関は国内最大規模の調達者の一つであり、その購買行動が環境配慮型製品の市場形成に与える影響は大きい。平成12年(2000年)制定の本法は、こうした公的調達の力を環境改善に活用するため、発注機関に対してグリーン購入方針の策定・推進を義務付けた。環境省が毎年度「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」(グリーン購入法基本方針)を告示し、品目別の判断基準(環境配慮基準)を定める。対象品目は文具類・事務機器・公用車・照明・建設資材・印刷物・役務(清掃・印刷委託等)など21品目群にわたり、それぞれ具体的な環境基準が示されている。本法の施行以降、エコマーク認定製品や省エネ機器の普及が公共調達を起点として促進されてきた。
義務対象と努力義務
国の各行政機関・独立行政法人は調達方針の策定と実績の公表が義務付けられている。地方公共団体は努力義務(第12条)であるが、都道府県・政令市を中心に独自のグリーン購入方針を策定し積極的に取り組む自治体がある。市区町村レベルでも、エコマーク取得製品や省エネ機器を仕様書に明記する形での対応が定着している。グリーン購入の実施体制を整備するため、庁内に調達担当部署を定め、全部局の調達情報を集約する仕組みを設ける自治体もある。
調達実務への組み込み
グリーン購入を調達実務に組み込む際は、仕様書・調達基準書に環境配慮基準を明記し、入札参加要件または総合評価落札方式の評価項目として環境性能を位置づける方法が一般的である。年度末に調達実績を集計・公表することで施策の透明性を確保する。グリーン購入法基本方針は毎年改定されるため、担当者は更新情報を確認し、仕様書の記載基準を最新の基準に合わせる体制を整える。SDGs推進・脱炭素化施策との連携を図る自治体では、グリーン購入実績を温室効果ガス排出削減の実績指標として活用する事例もある。調達の環境配慮基準を庁内ポータルで一元管理し、全部局が共通の基準を参照できる体制を整えることが運用の効率化につながる。
脱炭素化を推進する自治体では、グリーン購入法に基づく調達と再生可能エネルギーの導入・公用車の電動化計画とを連動させ、環境施策の一貫した実施体制を構築する取組が広がっている。調達担当部署と環境施策担当部署が定期的に情報共有する体制を整えることが、庁全体のグリーン購入推進の実効性を高める基盤となる。
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