デジタル庁とは、デジタル庁設置法(令和3年法律第36号)に基づき2021年9月1日に設置された内閣直属の行政機関であり、行政のデジタル化・データ利活用・マイナンバー制度の推進、自治体システムの標準化・共通化を所管する。
デジタル庁は、菅義偉内閣が掲げたデジタル改革の中核機関として発足した。既存の省庁と異なり、デジタル大臣のもとに民間専門家(デジタル人材)を多数採用した官民融合型の組織体制を採る。各省庁のシステム整備に勧告権を持ち、政府全体のデジタル基盤の統括を担う。設立当初の職員数は約600名(うち民間からの採用者が約半数)と、省庁としては異例の規模と人員構成で出発した。
自治体との関係における主要な政策
①自治体システム標準化: 住民記録・税・福祉・子育て等20業務のシステムについて「標準仕様書」を策定し、標準準拠システムへの移行をガバメントクラウドと組み合わせて推進している。②ガバメントクラウド: 標準準拠システムの移行先として国がまとめて調達した共同クラウド基盤を整備・運営する。③**マイナンバー活用推進**: マイナンバーカードの普及・公的個人認証サービスの民間開放を担当する。
デジタル規制改革との関係
デジタル庁は書面・押印・対面の3原則見直し(デジタル規制改革)も担当しており、法令上の書面主義・押印義務の見直しに係る各省庁との調整を行う。自治体の条例・規則における書面・押印規定の見直しも同様の方向で進められており、デジタル庁が策定した自治体向けガイドラインを参照して対応している自治体が多い。
ベース・レジストリとデータ標準
デジタル庁は住所・法人・不動産等の「ベース・レジストリ」(社会の基盤となるデータベース)の整備も所管する。行政手続きで繰り返し入力が必要な情報を標準化・一元管理することで、住民や事業者の負担軽減とデータの正確性向上を目指している。
デジタル臨時行政調査会との関係
2021年11月に設置された「デジタル臨時行政調査会」(デジタル臨調)は、デジタル化の障壁となる法令・制度を横断的に点検・見直す機能を持つ。デジタル庁がその事務局を担い、書面・押印・対面を原則とする規制の見直し候補法令のリストアップ・改正提言を行った。自治体の条例・規則についても国の方針に沿った見直しが進んでいる。
デジタル庁は設立から数年で政府全体のデジタル政策の司令塔として定着しつつあるが、全省庁・全自治体のDX推進を統括するには人員・権限の両面でさらなる強化が課題とされている。自治体との関係では標準化対応の進捗管理が主要な接点となっている。
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