所掌事務

読み:しょしょうじむ

所掌事務とは、行政機関・部局・課等が担当すべき事務の範囲のことであり、地方自治法第158条に基づく事務分掌規程(条例・規則)で各部局・課の所掌事務が明確化される。

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行政機関の内部組織の事務分担(分掌)を定めた規範の中核概念で、「どの事務はどの部署が担当するか」を明確にすることで責任の所在・起案権限・決裁ルートが決まる。地方自治法第158条は首長条例の定めるところにより自治体の内部組織を設け規則で事務分掌を定めることを認めており、事務分掌規程(規則)・処務規程等に所掌事務の一覧が規定される。

所掌事務の特定と争い

施策・事業が複数の課にまたがる場合、「どの課が主管課か」(所掌の帰属)が庁内の重要な実務課題となる。所掌が不明確な場合は①総務課・人事課等の横断管理部門、②副首長・政策調整部門が調整役を担う。自治体の組織改編(部・課の新設・廃止・統合)の際には事務分掌規程の改正と所掌事務の明確な引継ぎが必要で、改正漏れがあると組織改編後に責任の所在が不明確になるリスクがある。

法令に基づく事務と固有の事務

自治体の事務は①法律・政令・省令で義務付けられた「法定受託事務自治事務」(地方自治法第2条第8・第9項)と②自治体が独自に行う「固有事務」に大別される。所掌事務の規定は法定事務と固有事務を区別せず担当課を定めることが多いが、法定受託事務については国の機関委任事務時代の名残で所掌事務の書き方が異なる場合がある。

所掌事務の変更手続き

新規施策の立案・開始時には、その施策を担当する課の所掌事務として事務分掌規程を改正するか、既存の所掌事務の解釈で対応するかを判断する。事務分掌規程の改正は規則改正(首長決裁)が必要で、組織改編を伴う場合は条例改正(議会議決)も要する。実務上は組織改編がない範囲での事務の追加・移管は規則改正のみで対応できるが、担当職員への周知と業務引継ぎの徹底が組織機能の安定維持に不可欠だ。

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