保健所

読み:ほけんじょ

保健所とは、地域保健法に基づき都道府県・保健所設置市・特別区が設置する広域専門機関で、感染症対策・難病支援・食品衛生・環境衛生・精神保健等の専門的公衆衛生行政を担う。

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定義と設置根拠

保健所は地域保健法第5条に基づき都道府県・保健所設置市(政令市中核市等)・特別区が設置義務を持つ地域保健の広域専門機関である。市区町村保健センターが住民への直接サービス提供を担うのに対し、保健所は専門技術的・広域的・調整的機能を担う上位の公衆衛生機関として位置付けられる。保健所長は医師でなければならないことが原則とされており(例外規定あり)、公衆衛生の専門機関としての医学的指揮機能が担保されている。

主要な業務

保健所の主要業務として、①感染症対策(感染症法に基づく届出の受理・患者管理・積極的疫学調査・接触者調査・入院勧告等)、②結核対策(DOTS等の服薬支援)、③難病・特定疾患対策(医療費助成申請の審査・支援)、④精神保健福祉(精神科通院・入院調整・精神保健手帳申請の審査等)、⑤食品衛生(飲食店営業許可・立入検査・食中毒調査等)、⑥環境衛生(水道・温泉・衛生害虫等)、⑦地域医療機能推進(医療連携コーディネート)等がある。

新型コロナウイルス対応での課題

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下では保健所業務が極度に逼迫し、感染者の検査調整・入院調整・積極的疫学調査・自宅療養者管理等が一体的に保健所に集中した。感染症法改正(2022年)による協定締結医療機関との連携・HER-SYS等の情報システムの整備・都道府県の総合調整機能の強化等が感染症危機管理体制の見直しの中で実施された。都道府県は次の感染症危機に備えた保健所の人員・機能強化・ICT活用・市区町村保健センターとの平時の連携協定整備を進めている。

市区町村との連携

保健所は市区町村の保健センターに対して技術的支援・バックアップを提供し、難病患者・精神障害者・感染症患者への支援において連携して対応する体制が整備されている。市区町村が保健センター業務を実施する中で、技術的に困難な事案・広域対応が必要な事案は保健所に繋いで対応する役割分担が法律・ガイドラインに基づいて定められており、平時からの顔の見える関係づくりが連携の実効性を高める重要な基盤となる。保健所と市区町村保健センターの合同研修・情報共有会議・事例検討の仕組みを平時から整備しておくことで、感染症流行時・健康危機時の迅速な協力体制が確保される。

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