審査請求

読み:しんさせいきゅう

審査請求とは、行政庁の処分または不作為について不服のある者が審査庁(上級行政庁等)に対して審査を求める行政不服申立て制度の中核的手続きをいう。

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定義と根拠

審査請求とは、行政不服申立法(平成26年法律第68号)に基づき、行政庁の処分・不作為に不服のある者が審査庁に対して審査を求める手続きである。2014年の行政不服申立法全部改正により、従来の異議申立て・審査請求・再審査請求が原則として審査請求に一本化され(一審制の原則)、手続きが簡素化・明確化された。審査請求は訴訟前の権利救済手段として重要な機能を果たすとともに、行政内部での自己統制・自律的な誤り是正のメカニズムとして位置付けられる。

審査庁の組織と役割

審査庁は処分庁・不作為庁の最上級行政庁(上級行政庁がない場合は処分庁・不作為庁自身)が担うのが原則である(行政不服申立法第4条)。自治体の場合、市町村長の処分については市町村長が審査庁となるケースが多い。審査庁は請求の適法要件・本案要件を審理し、認容・棄却・却下の裁決を行う。審理員制度(処分に関与しない職員を審理員として指名する制度)と審理員意見書行政不服審査会への諮問手続きが導入され、審理の公正性が強化されている。

申立て期間と要件

審査請求の申立て期間は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服申立法第18条)である。ただし処分の日から1年が経過した場合は申立てができない(除斥期間)。申立て要件として処分性・不服申立て適格(法律上の利益)・申立て期間の充足・審査請求前置(不要の場合は取消訴訟と選択可)がある。審査請求を提起しても処分の効力は執行停止されないのが原則であるが、回復困難な損害を避けるため必要があると認めるときは審査庁が執行停止を命じることができる。

自治体の実務対応

審査請求を受けた自治体(審査庁・処分庁)は弁明書の提出・証拠書類の整理・審理員との連携・行政不服審査会への諮問・裁決書の作成という一連の手続きを担当する。認容裁決(処分の取消し・変更・不作為の義務付け)が行われた場合、処分庁は裁決の趣旨に従って再度の処分または申請に対する処分を行う義務を負う。審査請求の裁決に不服がある場合は取消訴訟の提起が可能であり、審査請求と訴訟の関係(原則選択制・特別法による前置制)を正確に把握しておくことが実務上重要となる。

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