電子決裁

読み:でんしけっさい

電子決裁とは、紙の文書に決裁印を押す従来の決裁手続きを電子化し、文書管理システム・グループウェア上で起案・合議・決裁をオンラインで完結させる仕組みである。

この説明はいかがですか?

電子決裁自治体の業務効率化・ペーパーレス化の柱であり、2020年代以降に本格導入を進める自治体が増えている。紙の決裁では起案文書を物理的に回付する必要があったが、電子決裁ではシステム上で承認・差し戻し・修正が完結するため、合議・承認の時間短縮・場所を問わない処理が可能になる。テレワーク推進の面からも導入の動きが加速し、2020年以降の押印廃止方針と連動して整備が進んだ。

電子決裁導入の実務上の課題

文書規則・公印規程の改正: 電子決裁を正式な行政文書の処理として認めるため、公文書管理規則・公印規程等の改正が必要になる。②法的効力の担保: 電子文書の原本性・保存方法についてのルール整備が必要であり、電子署名・タイムスタンプの付与方法を定めた文書取扱規程の整備が前提となる。③**電子契約サービスとの連携**: 電子決裁で決定した契約案件を電子契約サービスと連携させ、一貫した電子化フローを構築するかどうかの検討が必要になる。

システムの機能と選定

電子決裁システムには①起案書の作成・テンプレート管理、②承認・差し戻し・コメント機能、③決裁状況の可視化(誰が未承認か一覧確認)、④文書の電子保存・検索、⑤供覧配信機能が備わるのが一般的である。グループウェア(庁内サービスポータル)に統合された形で提供される製品や、文書管理システムの一機能として提供される形態がある。

押印廃止との関係

2020年以降、国の方針として押印の原則廃止が進められ、自治体でも各種申請書・内部文書での押印廃止が広がった。この流れと並行して電子決裁の整備が加速しており、押印廃止と電子決裁はセットで推進される場合が多い。既存の紙決裁文書との並行運用期間中は、二重管理の手間が一時的に発生する点に留意が必要である。

文書保存と電子アーカイブ

電子決裁で処理された文書は電子的に保存・管理する必要がある。公文書管理法・自治体の文書管理規則に基づく保存年限・廃棄ルールを電子文書にも適用しなければならない。長期保存が必要な文書(永年保存・10年以上保存)については、電子媒体の経年劣化・フォーマットの陳腐化への対応(マイグレーション計画等)も必要となる。

既存の紙ベースの文書との整合性確保も重要な課題である。過去に紙で作成・保存されている文書の電子化(スキャン・電子保存)については、費用対効果と業務上の必要性を踏まえて対応範囲を決定する。

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