電子契約

読み:でんしけいやく

電子契約とは、電子署名・電子文書を用いて締結する契約形態で、電子署名法および電子帳簿保存法に基づき、紙・押印を不要とした契約締結・保存を可能にする。

この説明はいかがですか?

電子契約とは、書面の作成・押印・交換に代えて、電子的な手段(電子文書・電子署名)により法的拘束力のある契約を締結する形態である。行政手続きのデジタル化の一環として公共調達での採用が広がっている。

電子署名法の根拠

電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)は、電子文書に付された電子署名が一定の要件を満たす場合に手書き署名・押印と同等の法的効力を認める。電子署名には①公開鍵基盤(PKI)を用いた認定認証機関(認証局)の電子証明書による方式と②クラウド型の電子契約サービス(DocuSign・クラウドサインなど)を用いた方式がある。公共工事請負契約の電子化には、建設業法・公共工事標準請負契約約の電子契約対応が前提となる。

公共調達での普及と課題

国の2020年のIT書面一括法改正以降、地方公共団体でも電子契約の導入が本格化している。物品購入・業務委託での電子契約は普及が早いが、工事請負契約では設計図書の電子化・電子納品との連携が必要なため対応が遅れている機関もある。電子文書の真正性・改ざん防止の担保、長期保存(電子帳簿保存法の要件充足)の仕組み整備が導入の前提となる。業者側でも電子署名の取得・システムへの対応が必要となるため、業者へのサポート・周知も発注機関の課題の一つとなる。

電子契約と電子帳簿保存法

電子契約で締結した契約書(電子文書)は電子帳簿保存法の「電子取引データの保存義務」の対象となり、印刷した紙のみの保管では法令違反となる。自治体は電子契約書管理システムを整備し、検索性・改ざん防止・アクセス制御の要件を満たした保存環境を構築する必要がある。電子化により締結から保存・廃棄までのライフサイクル管理が一元化され、文書管理コストの削減が期待される。なお、電子文書の長期保存においてはフォーマットの陳腐化対策も継続的な課題となる。 電子契約システムの導入に際しては、相手方(受注者)が電子署名を利用できる環境を保有しているかを事前に確認し、環境が整っていない業者への対応方針を定めておくことが運用上の前提となる。電子契約書の検索・閲覧機能を活用することで、担当者交代時の引継ぎ資料として契約内容を即座に確認でき、監督業務の継続性が向上する。電子署名の法的有効性・タイムスタンプの意義についての理解を担当者が深めることが、電子契約制度の実効的な運用の基礎となる。

広告広告掲載欄

ご意見箱(匿名で投稿できます)

0 / 2000