設計図書

読み:せっけいずしょ

設計図書とは、工事請負契約において契約書とともに構成する文書の総称であり、図面・仕様書・現場説明書・質問回答書から構成され、受注者が工事を施工する際の基準となる文書群である。

この説明はいかがですか?

地方自治法施行令第167条の14第1は、工事の施工にあたり設計図書を作成する義務を発注機関に課している。契約締結後は、設計図書と施工内容との不一致・設計図書間の矛盾が発見された場合、発注機関が書面で解釈を確定させる義務がある(公共工事標準請負契約約第1条)。設計図書は契約書と並ぶ法的拘束力を持つため、作成・交付・変更の各段階での記録管理が重要となる。

構成要素

設計図書の構成は①図面(平面図・断面図・詳細図・構造図等。工種・規模により異なる)、②仕様書(標準仕様書・特記仕様書)、③現場説明書(工事現場の状況・地質情報・近隣環境等の情報を記載した書類)、④質問回答書(入札前に参加業者から提出された質問と発注機関の回答をまとめた書類)から構成される。いずれも設計図書として法的拘束力を持ち、「図面には記載がないが仕様書に記載がある」事項は契約上の義務として機能する。

設計図書の優先順位

設計図書相互間で記載が矛盾する場合の解釈について、公共工事標準請負契約約款では概ね①質問回答書、②特記仕様書、③標準仕様書、④図面の順で優先するとされる。ただし具体的な優先順位は使用する約款・自治体の方針によって異なる場合がある。解釈の相違が生じた際は発注機関と受注者が協議で解決し、協議不調の場合は請負契約の紛争処理条項に従う。

設計図書の交付と管理

設計図書は入札公告と同時に交付(有料または無料)され、入札後は落札者に正式に引き継がれる。電子入札導入後はCD-ROMまたはダウンロード形式での交付が主流となっている。設計図書の変更・訂正は「質問回答書」または「変更設計図書」として書面で行い、全参加者または受注者への配布記録を保存する。設計図書は完成後も電子データで長期保存し、将来の改修・増築工事の際の参考資料として活用できる体制を整えることが施設管理の面でも有用である。設計図書の一元管理は後年度の維持管理・改修計画の立案に直結するため、電子データでの長期保存体制の整備が施設管理部門と発注部門の共通課題となっている。設計図書の不備(誤記・矛盾・不足)が施工中に判明した場合は発注機関の責任で訂正・追補を行い、変更設計図書として受注者に交付する。設計図書の変更は変更契約の根拠となるため、変更の経緯を記録として残すことが担当者の義務となる。発注担当者は設計図書の作成段階で技術担当・法務担当と連携し、実態に即した図書の完成度向上を図ることが施工後の変更リスクの低減につながる。

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