長期継続契約とは、地方自治法第234条の3に基づき翌年度以降にわたる賃借・役務の提供を受ける契約であり、電算機器・複合機・施設管理業務等の複数年度契約として活用される。
地方自治法の原則(会計年度独立の原則。第208条)は各年度の支出をその年度の歳入で賄う単年度主義を規定するため、複数年度にわたる契約は原則として年度ごとの予算措置が必要となる。地方自治法第234条の3は、翌年度以降にわたる賃借・役務の提供に係る契約について、条例で定めることにより長期継続契約として単年度の予算議決なしに複数年度の契約を締結できる特例を認める。
対象となる契約の種類
長期継続契約の対象は「①不動産・物品の借入れ②電気・ガス・水道の供給③電気通信役務の提供④車両等の修繕」等と自治体が条例で定める(地方自治法第234条の3・各自治体条例)。実務上は電算機器(パソコン・サーバー等)のリース、複合機・プリンターのリース、施設管理(清掃・警備・設備保守)の業務委託等に広く活用されている。 長期継続契約の期間は条例または個別の契約で定め、一般的に2〜5年程度とするケースが多い。期間中に予算が成立しない場合は自動解除できる条項(解除条項)を契約書に盛り込むことが地方自治法施行規則第12条の3により義務付けられており、翌年度以降の議会の予算否決・修正に伴い契約を解除できる余地が必要だ。
単年度契約・債務負担行為との違い
複数年度にわたる支出義務を設定する方法には①単年度ごとに契約を更新する方法、②債務負担行為(地方自治法第214条)を予算に計上して後年度の支出義務を議会議決で設定する方法、③長期継続契約による方法の3種がある。債務負担行為は当初予算または補正予算への計上と議会議決が必要で手続きが重い。長期継続契約は条例の規定があれば個別の議会議決不要で契約できるため、定型的な賃借・業務委託契約に適している。
活用上の注意点
複数年度にわたる契約で過大な費用が固定化されないよう、契約期間・費用水準・性能要件の妥当性を事前に十分検討してから判断する姿勢が欠かせない。IT機器・ソフトウェアの長期リース契約は技術革新が速いため契約期間が長すぎると陳腐化リスクがある。途中解約条項(違約金発生の有無・条件)を事前に確認し、将来の業務変化に柔軟に対応できる契約設計が必要だ。
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