分割発注とは、一体として実施すべき工事・業務・物品調達を人為的に分割して複数の発注単位とし、随意契約の上限額以下や一般競争入札を回避できる金額に意図的に抑える手法であり、地方自治法施行令の随意契約基準を潜脱するものとして原則禁止とされる。
地方自治法施行令第167条の2が随意契約を認める金額基準(工事250万円以下・物品160万円以下・役務100万円以下等)を設けているため、この金額を下回るよう発注単位を分割することで競争入札を免れようとする行為が分割発注である。同一年度・同一場所・同一業者への発注が繰り返される場合に監査委員・情報公開請求等で指摘を受けることが多い。
違法性の判断基準
一体の工事・業務として設計・計画されたものを形式上分割する行為は、地方自治法の競争契約原則(第234条第1項)の潜脱にあたる。判断基準は①施工・業務の同一性(場所・期間・内容が実質的に連続しているか)、②分割後の各金額が随意契約基準を下回るよう意図的に設定されているか、③分割理由の合理性(緊急性・設計変更等の客観的根拠)の有無である。担当者は発注計画の段階で分割の合理的根拠を稟議書に明記することで、後日の監査指摘リスクを低減できる。
許容される分割との区別
技術的に独立した工種ごとの分割発注(外構工事と建築工事を別発注とする等)は合理的根拠があれば認められる。現年度予算の不足により次年度に残工事を発注するケースも状況によっては適法となる。監査において不当分割とみなされないよう、発注担当者は分割理由を稟議書等で明記する実務慣行がある。
発覚時の対応
監査委員や住民監査請求によって不当分割が指摘された場合、担当者および上長が指導を受けるとともに、発注方法の是正計画の提出が義務付けられる。繰り返しの場合は懲戒処分の対象となる場合もある。発注計画段階での会計担当部署との事前確認が予防の基本となる。分割発注の疑いを持たれないためには、年間を通じた発注計画の段階で案件の一体性・分割の合理的根拠を整理しておくことが有効である。過去に不当分割と指摘を受けた案件のパターンを研修等で共有し、担当者全体の認識を統一することが再発防止策となる。随意契約基準額の改訂があった場合は分割発注の基準額も変わるため、担当者は最新の法令・規則を確認した上で発注方針を決定する。発注担当者は予算要求の段階から案件の一体性を見極め、一体発注が望ましい案件については単一の予算科目で計上するよう調整する。不当分割に関する研修を定期的に実施することで、組織全体のコンプライアンス意識の維持を図ることが担当部署の責務となる。随意契約基準額と分割発注の関係は新任担当者向け研修の重要な項目として位置付けられる。
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