ゼロカーボンシティとは、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを目指す旨を首長が宣言した地方公共団体の総称であり、環境省への登録制度に基づいて全国の自治体が参加している。
2019年9月の環境大臣の呼びかけを受け、2050年カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量の実質ゼロ)の達成を目指す旨を表明した自治体が「ゼロカーボンシティ」として環境省に登録される。令和6年4月時点で1,100を超える自治体(全国の自治体数の約63%)が宣言しており、地球温暖化対策推進法に基づく「地方公共団体実行計画(区域施策編)」との整合性が求められる。
根拠と法的枠組み
地球温暖化対策の推進に関する法律(地球温暖化対策推進法)第21条は都道府県・市区町村に対して「地方公共団体実行計画(区域施策編)」の策定を義務付け(都道府県・政令市・中核市・施行時特例市)または努力義務(その他市区町村)とする。計画には2030年度目標・2050年ゼロカーボン目標・再生可能エネルギー導入量・省エネルギー推進策等を記載し、毎年度の進捗を公表する。 宣言はあくまで政治的なコミットメントであり、法的拘束力を持つものではないが、宣言後は計画策定・施策実施・進捗管理のPDCAサイクルを回すことへの住民・議会からの期待が高まる。国の2050年カーボンニュートラル宣言(令和2年10月)・地球温暖化対策推進法改正(令和4年4月施行)によりゼロカーボンが自治体の法定目標として位置づけられた。
実施すべき施策分野
主な施策分野は①再生可能エネルギーの導入促進(太陽光・風力・地中熱等)、②建物の省エネルギー化(ZEB・ZEH推進)、③交通・モビリティのゼロエミッション化(EVバス・自転車シェア等)、④緑地・農地・森林による吸収源対策、⑤廃棄物の3R推進・再生利用拡大だ。各分野の施策コストと削減効果(トン-CO2換算)を試算した上で優先施策を選定し、財源(交付金・補助金・グリーンボンド等)を確保する。
担当部署の実務
環境政策担当課が計画策定・進捗管理の主管となり、庁舎等の公共施設のエネルギー使用量の把握(エネルギーマネジメントシステム導入等)が出発点となる。地域新電力会社の設立・太陽光パネルの公共施設導入・屋上緑化等の事業は関係部署・民間事業者・地域金融機関と連携して進める。宣言のみで施策が伴わない「グリーンウォッシュ」批判を避けるために、定量的な目標設定と毎年度の進捗開示が重要だ。
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