就学援助とは、学校教育法第19条に基づき、経済的理由により就学困難な児童生徒の保護者に対して市区町村が学用品費・給食費・医療費等の費用を援助する制度である。
憲法第26条が保障する義務教育の無償性を補完する制度として機能する。対象は「要保護者」(生活保護受給者)と「準要保護者」(生活保護に準ずる程度の困窮状態にある者)の2類型に分かれ、前者への援助費は国が2分の1を補助し、後者への援助費は市区町村の単独財源で賄われる(国庫補助は要保護者のみ)。
援助費の種類
援助費の品目は学校教育法施行令第17条が定め、学用品・通学用品費・学校給食費・修学旅行費・医療費(学校保健安全法第24条の対象疾患)・クラブ活動費・生徒会費・PTA会費・入学準備金などが対象。援助基準(収入・資産の認定)は市区町村ごとに異なり、生活保護基準の1.0〜1.5倍程度が一般的だが、各自治体の財政状況によって差がある。 令和6年度の国庫補助単価は、学用品・通学用品費(小学生)が年額11,310円、修学旅行費(中学生)が56,320円、医療費(要保護者)は実費を基本とする(文部科学省通知)。給食費の無償化を独自実施している自治体では就学援助の給食費目を廃止・一本化する対応が取られる場合があり、援助対象品目の整理が実務課題となっている。
認定手続と実務
保護者が申請書を在籍校(または教育委員会)に提出し、市区町村教育委員会が前年度の所得・扶養人数等を基に認定する。給食費については学校給食費の無償化(一部自治体が独自実施)と制度が重なるため、対象者の特定と費用徴収の調整が課題になっている。文部科学省は毎年度「就学援助に関する調査」を実施し、認定率や援助単価の自治体間比較を公表している。 認定率(児童生徒数に対する認定者数の割合)の全国平均は15%前後(文部科学省「就学援助実施状況等調査」)で、自治体間の基準差による格差が問題視されている。申請書の提出促進と収入審査の標準化(マイナンバーを活用した所得情報の確認)が事務効率化の方向性として示されており、令和3年度から電子申請を導入した自治体も増えている。
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