失業対策事業費とは、投資的経費の一区分で、失業者を対象に実施する公共事業に充てられる経費であり、現在は予算実績がほぼない費目として残存しているが、性質別歳出の体系上は投資的経費の3区分の一つとして位置付けられている。
失業対策事業費は性質別歳出における投資的経費の3区分(普通建設事業費・災害復旧費・失業対策事業費)の一つである。戦後の雇用政策として失業者に公共事業の就労機会を提供することを目的に設けられた経費区分であり、失業対策法(1949年制定)に基づく失業対策事業の費用として機能していた。1990年代以降は雇用情勢の変化・制度の廃止縮小に伴って実績がほぼなくなり、現在では費目としての区分は残っているが実際の支出はない状態が続いている。
失業対策事業費を含めた投資的経費の3区分の合計額が「投資的経費」として集計されるため、地方財政統計上の定義を理解するうえでは名称として知っておく意義がある。財政担当者が地方財政状況調査の統計表を読む際に「投資的経費のうち失業対策事業費」という列が設けられていることの意味を把握しておくことが統計の正確な解釈につながる。
雇用政策の変遷
戦後復興期から高度経済成長期にかけて失業対策事業は雇用のセーフティネットとして機能したが、経済成長に伴う労働力需要の拡大で対象者が縮小し、1980年代以降は実施規模が大幅に縮小した。雇用対策の中心は失業者への就労機会提供から職業訓練・求職活動支援へと移行し、現在は労働費(職業訓練・就労支援事業費)が雇用政策の主な経費区分となっている。性質別歳出の区分体系自体は変更されずに残っているため、失業対策事業費という名称が今日でも地方財政統計表に記載される形になっている。
現在の雇用対策経費との混同に注意
リーマンショック後(2008〜2009年)や新型コロナウイルス感染症流行時(2020〜2021年)に実施された緊急雇用創出事業等は、失業対策事業費(投資的経費)ではなく物件費・委託料(その他の経費)として計上されるケースが多い。現代の雇用対策事業は就労機会の直接提供でなく雇用維持・人材育成・マッチング支援が中心であるため、性質別歳出の区分上は投資的経費ではなく物件費・補助費等等に計上される形になる点に留意が必要である。
統計上の取り扱い
地方財政状況調査では投資的経費の内訳として普通建設事業費・災害復旧費とともに失業対策事業費が独立した集計項目として設けられており、全国集計の統計表に記載される。現在は実績がほぼゼロであるため、集計値は0またはごく少額となる。財政担当者が地方財政状況調査の調査票を作成する際に失業対策事業費の欄が存在することの意味と記載内容(実績がない場合は0の記載)を理解しておくことが統計報告の正確な実務につながる。
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