コンセッション方式とは、空港・道路・上下水道・運動施設等の公共施設について、施設の所有権を公共主体が保有したまま、施設の運営権を長期間にわたって民間事業者に設定・譲渡する官民連携手法であり、PFI法上の「公共施設等運営権」制度として導入されているものである。
コンセッション(Concession)は欧米の空港・有料道路等で長期の実績を持つ官民連携手法であり、日本では平成23年(2011年)のPFI法改正で「公共施設等運営権」制度として導入された。施設の所有権は公共側が保持するため固定資産の売却に比べてリスクが低い一方、民間事業者は運営権の範囲内で料金設定・事業戦略を自律的に判断でき、長期的な経営効率化のインセンティブが働く構造となっている。関西国際空港・伊丹空港の一体運営(2016年)や仙台空港(2016年)、国内複数の上下水道施設・スポーツ施設へのコンセッション適用が進んでいる。地方公共団体の老朽施設更新コストの縮減策としても注目度が高まっており、国土交通省・内閣府がガイドラインや事例集を公表して普及を促している。
運営権設定の手続き
地方公共団体がコンセッション方式を導入するには、①議会の議決による運営権設定の決定、②実施方針の策定・公表、③選定委員会による公募・審査、④運営権者との実施契約締結の手順を踏む。実施方針には事業範囲・運営権の内容・料金設定ルール・モニタリング方法・契約解除条件等を明記する。運営権は抵当権の設定が可能であり(PFI法第26条)、民間事業者が金融機関から事業資金を調達する際の担保となる点が指定管理者制度と異なる。
指定管理者制度・PFIとの比較
指定管理者制度は数年単位の短期委託であり事業リスクは原則として公共側が負う。コンセッション方式は10〜30年以上の長期契約で民間が経営リスクを担うため、より大規模な設備投資や経営改革が期待できる。PFIのBTO・BOT方式は施設整備と運営を一体で民間に委ねるが、コンセッションは既存施設への適用が前提である点で異なる。老朽化した公共施設の更新・維持管理費用の抑制策として、コンセッションの活用可能性を検討する自治体が増えている。導入検討にあたっては法律・財務・事業計画の各専門家を交えたサウンディング(市場調査)を実施し、民間事業者の参入意欲と事業採算性を事前に確認することが事業化判断の基盤となる。
コンセッション導入後は、モニタリング委員会を設置して運営権者の業務実施状況・料金水準・施設の維持管理状態を定期的に確認し、契約条件が遵守されているかを行政が責任をもって監視する体制が必要となる。住民サービスの継続性確保のため、運営権者が経営危機に陥った場合の対応(バックアップ計画・保証金制度等)を事前に契約に織り込んでおくことが制度リスクの管理につながる。
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