条例の制定・改正・廃止は議会の議決を要するため、その元となる議案が条例案である。地方自治体の意思を法規範の形で定めるものであり、税の賦課徴収から各種施設の設置管理、組織や手数料の定めまで、住民生活に直結する事項が条例案として議会に諮られる。提出権者は1つではなく、長のほか議員や委員会も条例案を提出できる。議員が提出する場合は議員定数の一定数以上の賛成(原則として議員定数の12分の1以上の者の発議)を要するなど、提出経路ごとに要件が定められている。提出された条例案は本会議で説明・質疑を受けたうえで所管の委員会に付託され、委員会審査を経て本会議で討論・採決される。予算案と並ぶ審議の柱であり、自治体職員にとっては所管事務に関わる条例案の立案・説明が議会対応の重要な実務となる。
条例案の提出経路と発議要件
条例案は誰でも自由に出せるわけではなく、提出権者と発議要件が定められている。最も多いのは長の提出によるもので、執行機関として日常の事務に必要な条例の制定改廃を提案する。議員が提出する場合は、一人では足りず、原則として議員定数の12分の1以上の者の賛成による発議が必要となる(地方自治法第112条)。さらに常任委員会や議会運営委員会も、その所管に属する事項について条例案を提出できる。提出経路によって発議のハードルが異なるのは、議会の意思形成を慎重にしつつ、長と議員の双方に立案の機会を保障するためである。なお予算を伴う条例案については、提案の段階で財源の手当てが問われる。
委員会付託から採決までの流れ
提出された条例案は、まず本会議で提案理由の説明と質疑を受ける。その後、内容に応じて所管の常任委員会へ付託されるのが一般的で、委員会では逐条的な審査や参考人・関係職員への質疑が行われる。委員会は審査の結果を可決・否決・修正などの形で本会議に報告し、本会議では委員長報告を踏まえて討論・採決が行われる。出席議員の過半数の賛成で可決されるのが原則だが、特定の事項には特別多数を要する例もある。可決された条例は長へ送付され、長が公布して施行される。修正をめぐる長と議会の調整、施行日の設定、関連する規則・要綱の整備まで見据えるのが、所管職員に求められる条例案実務である。
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