ジチテン

発議

読み:はつぎ

意味

発議とは、議員が、議会の議決を求める議案や意見書、決議などを提出することをいう。議員が議案を発議するには、地方自治法の定めにより、一定数以上の議員の賛成を要する。

議会は、執行機関から提出される議案を審議するだけの場ではなく、議員みずからが政策や意思を提案する場でもある。発議は、議員が議案や意見書などを議会に提出する行為で、議会の政策形成機能を支える。

議員が議案を発議するには、地方自治法により、議員の定数の一定割合以上の賛成者を必要とする。これは、思いつきの提案が乱発されることを防ぎ、一定の支持を得た案件だけを審議の対象とするための要件である。発議の対象となるのは、議員が提出できる条例案のほか、国などに対して意見を表明する意見書や、議会としての意思を内外に示す決議などである。とりわけ意見書の提出は、地方自治法に基づき議会に認められた権能で、住民の生活に関わる課題について、地方の議会が国の機関などに意思を伝える手段となっている。発議は、議員が受け身で審議に臨むのではなく、能動的に議会を動かす起点となる。

発議に賛成者を要する意味

発議に一定数以上の賛成者を要するという要件には、明確な意味がある。もし議員が一人で自由に議案を発議できるとすれば、可決の見込みの乏しい提案や、十分に練られていない案件までもが次々と提出され、議会の審議が滞るおそれがある。一定の賛成者を求めることで、少なくとも複数の議員の支持を得た、審議に値する案件に絞り込むことができる。一方で、この要件を高くしすぎると、少数会派や一人会派の議員が政策を提案する道が狭まり、多様な意見を議会に反映させる機能が損なわれる。発議に必要な賛成者の数は、提案の濫発を防ぐことと、少数の議員にも提案の機会を保障することとの均衡のうえに定められている。発議の要件は、議会の政策形成機能のあり方を左右する重要な仕組みである。

意見書の発議と地方議会の役割

発議のなかでも、意見書の提出は地方議会に特有の重要な権能である。地方自治法は、議会が、その地方公共団体の公益に関する事件について、国会や関係行政庁に対して意見書を提出できると定めている。これにより、住民に身近な地方の議会が、地域の実情を踏まえた要望や提言を、国の政策決定に対して表明することができる。意見書は議員の発議によって提案され、議会の議決を経て提出される。法的な拘束力を持つものではないが、同趣旨の意見書が各地の議会から数多く提出されれば、国の施策の検討に影響を与えうる。発議を通じた意見書の提出は、地方議会が地域の声を国政に届ける回路として機能しており、地方自治のうえで軽視できない役割を担っている。

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