育児休業とは、子の養育のために職員(労働者)が取得できる無給または給付付きの休業制度で、地方公務員には育児休業法・条例が適用される。
定義と法的根拠
育児休業とは、子(原則として3歳未満)の養育を目的として職員が取得できる休業制度である。地方公務員には「地方公務員の育児休業等に関する法律」(地方公務員育児休業法)が適用され、同法に基づき各自治体が条例で詳細を定める。育児休業期間中は原則として給与が支給されないが、共済組合から育児休業手当金(標準報酬月額の67%〜50%相当)が支給され、育児休業給付としての所得補償が行われる。育児休業中は共済組合の保険料が免除されるほか、退職手当の算定において育児休業期間が一定程度算入される等の身分保障上の配慮が制度化されている。
取得要件と期間
育児休業は任期付職員・非常勤職員を含む常勤・非常勤職員が取得できる(一定の勤務年数要件あり)。休業期間は原則として子が3歳に達する日まで(地方公務員育児休業法第2条)であり、分割取得も可能である。2022年改正(育児・介護休業法および地方公務員育児休業法改正)によって、産後パパ育休(出生時育児休業)の導入・育児休業の分割取得(2回まで)・有期雇用職員の取得要件緩和等が実施された。産後パパ育休は出生後8週間以内に最大4週間取得できる特別制度であり、育児休業とは別の制度として設計されている点に注意が必要である。
育児休業代替職員制度
育児休業中の職員の業務を代替するため、任期付き採用(育児休業代替任期付き職員)の制度が整備されている(地方公務員育児休業法第6条)。代替職員は育児休業が終了する日まで任用される任期付き職員として採用され、人件費は定員外枠が認められる場合が多い。育児休業代替職員の確保・育成は人事担当部署の業務課題となっており、長期的に代替職員のキャリア継続を支援する仕組みも求められる。代替職員への業務引き継ぎの質を高めるため、育児休業取得者が事前に十分な引き継ぎ期間を確保できるよう業務調整を早期に開始することが現場管理職の実務上の責務となる。
男性職員の育児休業推進
地方公務員の男性育児休業取得率は民間に比べて高い水準にあるものの、地域・自治体規模による格差が存在する。内閣府・総務省は男性職員の育児休業取得促進を地方行革・働き方改革の重点施策として位置付けており、首長・幹部職員自らの取得促進・管理職への取得勧奨・代替要員確保の体制整備を各自治体に求めている。育児休業取得後の人事評価・昇任への不利益扱いは許されず、取得者が不当な不利益を受けないよう組織文化の醸成が不可欠である。
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