不正競争防止法とは、入札情報の不正入手・営業秘密の侵害等の不正競争行為を規制する法律で、公共調達では予定価格の漏えい受領・官製談合への関与にも適用される場合がある。
不正競争防止法とは、事業者間の公正な競争秩序を確保するため、不正競争行為(営業秘密の侵害・著名な商品等表示の無断使用・誤認惹起行為等)を規制する法律である。公共調達では予定価格の不正入手・漏えいに関して適用が問題となる場面がある。
主な規制対象
不正競争防止法が規制する主な行為は①営業秘密(秘密管理・有用性・非公知の三要件を満たす技術・経営情報)の不正取得・使用・開示、②著名な商品表示・商品形態の模倣(パブリシティ権の侵害に類する行為)、③誤認を生じさせる商品の出所・品質等の虚偽表示、④ドメイン名の不正取得・使用、⑤外国公務員への贈賄である。公共調達において入札参加者が相手方の見積書・設計情報等の営業秘密を不正に入手・使用した場合、同法の営業秘密侵害規定が適用される可能性がある。
予定価格漏えいとの関係
公共工事の予定価格は入札が完結するまで発注機関が厳重に秘密管理するが、職員が予定価格を業者に漏らす行為(予定価格漏えい)は①刑法の収賄罪(見返りがある場合)、②入札妨害罪(刑法第96条の6)、③不正競争防止法の営業秘密不正入手罪のいずれかに該当する可能性がある。業者側が不正に予定価格を入手して入札に使用した場合は不正競争防止法の「不正の利益を得る目的での営業秘密使用」として処罰対象となりうる。予定価格の厳格な秘密管理と内部統制(アクセス制限・閲覧記録の保持等)の整備が漏えい防止の基本となる。
官製談合防止法との関係
官製談合(発注機関の職員が談合に関与する行為)は「入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律」(官製談合防止法)により規制され、職員個人には3年以下の懲役または250万円以下の罰金が科される。不正競争防止法・刑法・独占禁止法・官製談合防止法が重層的に適用されることで、発注機関内部からの不正行為と外部業者の違法行為の双方を規制する体系が形成されている。不正競争防止法の適用例として、入札参加者が他業者の入札価格を不正に入手し落札価格に近い水準で入札した行為が「営業秘密の不正取得」として処罰された事例がある。発注機関の職員が業者に対して入札情報を漏えいした場合も不正競争防止法・刑法(守秘義務違反等)の適用対象となるため、職員への定期的な法令教育と情報管理の徹底が担当部署の義務となる。情報管理規程・倫理規程において入札関係情報の取扱いに関する禁止行為と罰則を明示することで、不正競争防止法違反の抑制効果が期待できる。
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