特別支援教育とは、障害のある幼児・児童・生徒を対象として、その子の教育的ニーズに応じた指導と支援を提供する教育の形態であり、学校教育法第72条〜82条に規定される。
平成19年の学校教育法改正により「特殊教育」から「特別支援教育」へ転換し、特別支援学校・特別支援学級・通級による指導・通常学級での合理的配慮提供という連続した支援体制が構築された。対象は従来の盲・聾・肢体不自由・知的障害等に加え、学習障害(LD)・注意欠如多動性障害(ADHD)・自閉スペクトラム症(ASD)等の発達障害も含む(文部科学省通知。平成19年4月1日)。
就学先の決定と個別の教育支援計画
障害のある子の就学先は「本人・保護者の意見を最大限に尊重しつつ、市区町村教育委員会が決定する」(学校教育法施行令第18条の2・第22条の3)という仕組みになっている。就学に当たっては「個別の教育支援計画」(学校と家庭・医療・福祉等が連携して作成)および「個別の指導計画」(学校が作成する指導方針・目標)の策定が義務付けられている(学習指導要領)。 インクルーシブ教育システム(障害のある人が通常の教育制度から排除されない制度)の推進が国際的な潮流(国連障害者権利条約第24条)であり、日本では通常学級での「合理的配慮」(過度な負担なく提供できる調整)の提供義務が障害者差別解消法(平成28年施行)により私立学校を含め義務化された。
特別支援学校と特別支援学級
特別支援学校は視覚・聴覚・知的・肢体不自由・病弱の5種の障害を対象とした専門的教育機関で(学校教育法第72条)、センター的機能(地域の小中学校への専門的支援)も担う(同法第74条)。特別支援学級は小中学校内に設置される少人数学級で(第81条)、知的障害・肢体不自由・病弱・身体虚弱・弱視・難聴・言語障害・自閉症・情緒障害の8種が対象となる。
教育委員会の役割
市区町村教育委員会は就学先の決定・特別支援学級の設置・特別支援教育コーディネーターの配置・教員の専門性向上研修等を所管する。特別支援学級に在籍する児童生徒数は増加傾向にあり(令和4年度約33万人。文部科学省)、担任教員の専門性確保と通常学級との交流・共同学習の充実が継続的な課題だ。
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