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ジチテン

林道

読み:りんどう

意味

林道とは、森林の整備や保全、林産物の搬出のために森林内に開設される恒久的な道路で、道路法の路線認定を受けず、林道規程等に基づき都道府県や市町村、森林組合などが開設・管理するものをいう。

山あいの集落から「林道の路肩が崩れている」と連絡が入ったとき、道路法道路と同じ感覚で扱うと制度の入口を誤る。林道は道路法上の道路ではなく、林野庁の林道規程に基づいて森林整備の基盤として開設される施設であり、市町村道への認定を受けない限り、管理の根拠は市町村が定める林道管理条例や管理規程に置かれる。財源も開設・補修とも森林整備事業の国庫補助森林環境譲与税が中心で、災害復旧は公共土木施設の負担法ではなく農林水産業施設の暫定法の体系で扱われる。木材を搬出するトラックが通る基幹路網であると同時に、山村の生活道路や登山・観光のアクセス路を兼ねる例も少なくなく、通行規制や占用の判断には森林側と道路側の両方の発想が要る。台帳の整備状況や幅員・構造は路線ごとの差が大きく、橋梁や法面の老朽化への対応が市町村林務の重い課題になっている。

農道・森林作業道との弁別——路網の区分

森林内の道は、不特定の車両も通行できる恒久施設である林道(うち、主として林業用の大型車両を想定した規格のものを林業専用道と呼ぶ)と、林業機械の走行のために簡易な構造で作設される森林作業道に区分され、林道は林道規程、森林作業道は森林作業道作設指針という林野庁の定めに拠る。農道が土地改良法の土地改良事業農林水産省農村振興局の系統)で整備されるのと並んで、林道も道路法によらない道である点は共通だが、所管の系統(林野庁・森林整備事業)と受益の対象(森林施業)が異なる。市町村の地籍や固定資産税の実務では、現況が林道でも台帳の整理が追い付いていない例があり、路線の出自を林道台帳で確かめることが調査の出発点になる。

開設・改良の財源

林道の開設・改良は森林整備事業(造林や路網整備への国庫補助)の対象で、都道府県営・市町村営や森林組合等の施行で進められる。2019年度に譲与が始まった森林環境譲与税は市町村の路網整備にも充当でき、間伐の前提となる林道・作業道の補修に使う例が増えている。過疎地域や辺地では過疎対策事業債辺地対策事業債を財源に充てる道もある。災害復旧では、林道施設は公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の対象外で、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律(暫定法)に基づく補助で復旧する。豪雨のたびに小規模な被災が多数発生するため、被害報告と災害査定の事務は山村の市町村で大きな比重を占める。

管理責任——道路法が及ばなくても賠償責任はある

林道の管理の根拠は市町村の林道管理条例や管理規程であり、占用の許可、車両制限、冬季閉鎖などの運用を定める。道路法の適用がなくても、市町村が管理する林道は国家賠償法第2条の「公の営造物」に当たり、路肩の崩落や落石による事故で設置・管理の瑕疵が認められれば賠償責任を負う。実際に林道上の事故で市町村の責任が争われた裁判例は少なくない。通行止めの判断と現地での表示、定期的な巡視の記録は、賠償リスク管理の基本である。維持管理予算が乏しい中で全延長を均質に保つことは不可能に近いため、利用実態に応じて通行規制で守る路線と補修を優先する路線を仕分ける、路網管理の計画づくりが現実的な対応として広がっている。

つながりのある用語

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