災害復旧とは、災害対策基本法第87条以下に規定される防災の段階のうち、災害によって被害を受けた施設や生活を原形に回復させ、又は再度の災害を防止するために行う事業及び措置の総称をいう。
応急対策で当面の危機を乗り切った後、被災した道路・河川・庁舎やライフラインをどう元に戻すのか。この段階が災害復旧であり、災害対策基本法第87条以下と公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(負担法)などの個別法に基づいて進められる。復旧は被災施設を原形に戻す「原形復旧」が基本だが、同じ災害を繰り返さないために改良を加えて復旧する「改良復旧」も認められる。財政面では国が地方公共団体の復旧費用を高率で補助する仕組みが整えられ、災害復旧事業として実施される。災害復旧は元の状態への回復を目標とする点で、まちのあり方そのものを見直してより良い状態を目指す復興とは区別される。地域防災計画では復旧・復興編として章立てされ、罹災証明書の発行や被災者台帳の整備など被災者支援と並行して進められる。
原形復旧と改良復旧
災害復旧の基本原則は、被災した施設を災害前の状態に戻す「原形復旧」である。公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(負担法)はこの原形復旧を国庫負担の対象とし、地方公共団体が負う復旧費用を高率で補助する。一方、原形に戻すだけでは同種の災害で再び被災するおそれがある場合には、施設の構造や規模を改良して復旧する「改良復旧」が認められる。河川の拡幅や護岸の強化など、再度災害の防止を目的とする改良部分も一定の要件のもとで補助対象となる。災害復旧は応急対策の後に続く段階だが、応急的に施設を仮復旧する応急復旧(応急対策の一部)とは区別され、本格的・恒久的な回復を目的とする点に特徴がある。
復旧と復興の違い
災害復旧としばしば併記される語に災害復興がある。両者は時間軸では連続するが、目標とする到達点が異なる。復旧は被災した施設・生活を災害前の原形に回復させることを目標とするのに対し、復興はまちの構造や産業、コミュニティのあり方そのものを見直し、被災前より良い状態(ビルド・バック・ベター)を目指す取り組みを指す。災害公営住宅の整備や集団移転、土地区画整理を伴う市街地再生などは復興の領域に属する。自治体の地域防災計画では「復旧・復興」とまとめて章立てされることが多いが、原形回復にとどまる復旧と、平時のうちから備える事前復興を含む復興とでは、計画の射程と財源の枠組みが異なる。
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