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ジチテン

土地改良事業

読み:とちかいりょうじぎょう

別名:農業農村整備事業
意味

土地改良事業とは、土地改良法(昭和24年法律第195号)に基づき、農用地の改良、開発、保全及び集団化のために行われる事業の総称で、圃場整備、かんがい排水施設や農道の整備、ため池の改修などがこれに当たる。農林水産省の公共事業予算では農業農村整備事業の名で扱われる。

圃場整備をしてほしいという地元の要望が農政担当課に届いたとき、どの事業メニューを使い、誰が事業主体となり、地元負担をいくら求めるかという段取りがすぐに問題になる。土地改良事業は道路下水道と同じ公共事業でありながら、行政が一方的に計画して進めるのではなく、農地に権利を持つ農業者の申請と同意を起点に動く点で異色である。受益面積の規模に応じて国営・都道府県営・団体営に分かれ、市町村は団体営事業の事業主体になるほか、都道府県営事業では負担金を支出する。費用は国と都道府県の補助に市町村負担と受益者の負担を組み合わせて賄い、受益者からは土地改良区の賦課金や市町村の分担金として徴収するのが通例である。完了した事業は土地利用規制にも長く影を落とし、農振農用地区域からの除外では事業完了後8年を経過しているかどうかが要件の一つになる。

申請主義と3分の2同意

土地改良事業の最大の特徴は申請主義である。国営・都道府県営事業は、その土地で耕作する者など土地改良法第3条に定める資格者15人以上の申請によって始まり、申請には受益地の3条資格者の3分の2以上の同意が必要になる(同法第85条)。団体営事業を担う土地改良区の設立にも同じく3分の2以上の同意を要する。同意は一筆ごとの権利関係を確かめながら集めるため、相続未登記の農地や不在地主が多い地区では同意徴集だけで数年を要することがあり、市町村やJA、土地改良区の職員が戸別に回って説明する地道な作業が事業化の成否を握る。圃場整備のように区画の再編を伴う事業では、着工後も換地計画への同意手続が控えている。

国営・都道府県営・団体営の区分と費用負担

事業は受益面積の規模によって国営、都道府県営、団体営(市町村・土地改良区・農業協同組合などが施行)に区分され、国の補助率も区分と事業種別ごとに異なる。市町村の財政に直接関わるのは、都道府県営事業に対する市町村負担金と、自らが事業主体となる団体営事業の事務である。地元の受益者負担は、土地改良区が組合員から徴収する賦課金によるか、市町村が施行する場合は地方自治法第224条に基づく分担金条例を定めて徴収するのが通例で、受益地の面積に応じた単価で算定される。負担金の償還は長期に及ぶため、農地を転用・売却した場合の決済金の扱いなど、後年度の調整事務も発生する。

完了後8年要件と換地——土地利用への波及

土地改良事業は完了後も農地制度の運用を縛る。農振農用地区域からの除外申出では、土地改良事業の完了後8年を経過していない農地は原則として除外が認められず、圃場整備直後の農地への転用期待を遮断している。また、区画の再編を伴う圃場整備では土地改良法に基づく換地処分が行われるが、これは土地区画整理法の換地とは別の制度であり、農用地の集団化(耕作の便を考えた所有権の再配置)を目的とする点に特色がある。換地と併せて創設非農用地換地を設ければ、農業用施設用地や宅地を生み出すこともでき、集落の整備との組み合わせで使われてきた。

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