ジチテン

受益者負担

読み:じゅえきしゃふたん

意味

受益者負担とは、公共サービス・公共施設の提供から特定の利益を受ける者(受益者)が、その費用の一部を負担する考え方のことである。税金(全住民が負担)では賄わず、サービスを利用する者・利益を受ける者が利用料・負担金・分担金の形で費用の一部を負担することで、公平な負担と効率的なサービス提供を図る原則として地方財政において重視される。

特定の人だけが利益を受けるサービスの費用まですべて税で賄えば、利用しない住民にも負担が及び、公平を欠くうえサービスの無駄な利用も招く。受益者負担は、公共サービスや施設から利益を受ける者がその費用の一部を負担する考え方であり、利益を受ける者に応分の負担を求めて公平な負担と効率的なサービス提供を図る点に意義がある。

地方自治法第224条(分担金)・第225条(使用料)・第226条(手数料)が根拠規定で、条例を定めて徴収できる。負担の水準(受益者が費用の何割を負担するか)は自治体の政策判断で決まり、保育料公営住宅家賃・公共施設使用料・ごみ処理手数料などの設定に反映される。行政改革の文脈では「受益者負担の適正化」として使用料の見直しが行われることが多い。

受益者負担と公費負担の区分

公共サービスの費用は受益者負担分と公費(税金)負担分に分けて考えられる。保育料の例では、保育にかかる費用全体のうち国・都道府県・市区町村の公費負担と保護者の保育料(受益者負担)の割合が法令・条例で定められる(子ども・子育て支援法に基づく施設型給付費の仕組み)。完全な受益者負担(費用の全額を利用者が払う)とすれば低所得者がサービスを利用できなくなるため、公費補填によって所得水準に応じた負担軽減(応能負担)を行うケースが多い。

受益者負担の見直し(使用料改定)

行政改革の一環として公共施設の使用料・手数料の見直しが行われる場合、施設の減価償却費・維持管理費・人件費などを計算するコスト算定、コストの何割を使用料で回収するかという受益者負担割合の設定、激変緩和のための段階的な値上げのスケジュール設定という手順で進める。使用料の改定は条例改正を必要とするため議会に上程し、市民への説明・周知が重要となる。使用料の改定は住民の負担増に直結するため、コストに見合った水準への是正という理屈だけでなく、なぜ見直すのかを住民にていねいに説明し、急激な負担増を避ける配慮をあわせて行うことが合意を得るうえで欠かせない。

受益者負担金(分担金)

地方自治法第224条の「分担金」は公共事業(道路・排水路整備等)から特別の利益を受ける者から徴収する特定目的の負担金であり、農業農村整備事業の受益者分担金(農業用水路整備等の費用を受益農家が一部負担する仕組み)が代表例である。受益者が分担金を免れようとする場合や事業に反対する場合には、分担金の決定過程での合意形成・説明責任が問われる。分担金は事業から特別の利益を受ける者にその費用の一部を求めるものだが、誰がどれだけ利益を受けるかの線引きは難しく、負担を求められる住民の納得を得られるかが事業を円滑に進められるかを左右する。

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