農振除外とは、農業振興地域整備計画で農用地区域(青地)に指定された農地を、農地以外への転用を可能にするため当該区域から外す市区町村の計画変更手続をいう。
青地の農地を宅地や工場用地に変えたいという相談を受けたとき、担当者がまず確認するのは農地転用許可ではなく、その前段にある農振除外が通るかどうかである。農用地区域は農業振興地域の整備に関する法律に基づき集団的な優良農地として守られており、ここに入ったままでは農地転用の許可が下りない。除外を受けるには、代替地がないこと・周辺農地の利用に支障がないこと・土地改良事業完了後一定年数を経ていることなど農振法第13条第2項の5要件をすべて満たす必要があり、市区町村が農業振興地域整備計画を変更して当該農地を区域から外す。手続は申出の受付から都道府県との協議、計画変更の公告まで数か月から1年以上を要することが多く、随時受付ではなく年に数回の受付期間を設ける市区町村が一般的である。除外が認められて初めて農地法の農地転用許可の申請に進めるため、開発を伴う土地利用では農振除外と農地転用が二段構えの関門として実務上ひとくくりに語られる。
除外が認められる5要件
農用地区域からの除外は申出があれば認められるものではなく、農業振興地域の整備に関する法律第13条第2項が定める5つの要件をすべて満たす場合に限られる。具体的には、(1)その土地以外に代替すべき土地がないこと、(2)農用地の集団化・農作業の効率化など周辺の農用地利用に支障を及ぼさないこと、(3)担い手への農地利用集積に支障を及ぼさないこと、(4)土地改良施設の機能に支障を及ぼさないこと、(5)土地改良事業等の完了後8年を経過していること、である。とりわけ代替地の検討と土地改良事業完了後8年要件は申出が認められない主因となりやすく、補助事業で整備した農地は一定期間除外が事実上できない。市区町村の農業担当課は申出を受けると現地と要件を照合し、満たさないものは計画変更の俎上に載せない。
農地転用との二段構えと処理期間
農振除外は農地転用許可の前提手続であり、両者は別の根拠法に基づく別の処分である。区域からの除外は市区町村が農業振興地域整備計画を変更する行為で、農地転用は農地法に基づき都道府県知事等が与える許可である。青地のままでは転用許可が下りないため、申出者はまず除外を受け、計画変更の公告を経てから農地法第4条または第5条の転用許可を申請する。除外手続は都道府県との事前協議や計画変更の公告縦覧を伴い、随時ではなく年2回から4回程度の定期受付とする市区町村が多く、受付から計画変更の効力発生まで半年から1年を要することが珍しくない。開発側はこの期間を見込んで事業計画を組む必要があり、農振除外が滞ると後続の転用許可や開発許可も進まない。
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