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ジチテン

市町村

読み:しちょうそん

意味

市町村とは、市・町・村の総称であり、都道府県とともに普通地方公共団体を構成する、住民に最も身近な基礎的な地方公共団体である(地方自治法第2条第3項)。全国に792市・743町・183村の計1,718団体がある。

住民票の交付からごみ収集、保育所の入所、消防・救急まで、住民が行政と接する場面の大半は市町村の窓口で起きる。地方自治法は市町村を基礎的な地方公共団体と位置づけ、都道府県が処理するものとされる広域的な事務を除いて、地域における事務を包括的に担わせている(第2条第3項)。・町・村の違いは主に成立要件であり、市は人口5万以上などの要件(第8条第1項)、町は都道府県が条例で定める要件を満たす必要があるが、村には法律上の要件規定がない。権限はほぼ共通であるものの、福祉事務所の設置義務(市は必置、町村は任意)のような制度差が残る。指定都市中核市は市の中の特例的な区分であり、東京23区の特別区は市町村には含まれない特別地方公共団体である。市町村の数は平成の大合併で3,200余りから半減し、2018年10月以降は1,718で変動していない。

市・町・村の境目——要件の差と権限の差

市となるには人口5万以上、中心市街地の戸数が全体の6割以上、商工業従事者とその世帯員が人口の6割以上という地方自治法第8条第1項の要件に加え、都道府県の条例が定める要件を満たす必要がある。町の要件は各都道府県の条例に委ねられ、村にはそもそも要件規定がない。一方で事務権限の差は小さく、目立つのは福祉事務所である。社会福祉法第14条により市は福祉事務所を必置とされ生活保護の実施主体となるが、町村では任意設置にとどまり、未設置の町村の区域は都道府県の福祉事務所が担当する。村から町、町から市への移行は要件を満たしたうえでの都道府県知事の処分によって行われ、2018年に単独で市制施行した福岡県那珂川市が直近の例である。

「基礎的」の意味——都道府県との役割分担

地方自治法第2条は、市町村を基礎的な地方公共団体(第3項)、都道府県を市町村を包括する広域の地方公共団体(第5項)と定め、住民に身近な事務はまず市町村が担い、広域にわたる事務・連絡調整・規模や性質の面で市町村に適さない事務を都道府県が受け持つという配分原則を示す。2000年施行の地方分権一括法機関委任事務が廃止されて以降、両者は上下ではなく対等・協力の関係とされ、都道府県の事務を条例による事務処理の特例(第252条の17の2)で市町村へ移譲する仕組みも整っている。同じ市町村でも、指定都市・中核市は都道府県の事務の相当部分を自ら処理するため、市町村と都道府県の境界線は団体の規模によって動く相対的なものといえる。

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