社会福祉法とは、社会福祉を目的とする事業に共通する基本事項を定め、社会福祉法人や社会福祉協議会、福祉サービスの利用者保護や地域福祉の推進の枠組みを規定する法律である。
数ある福祉サービスの分野に横串を通し、その共通の土台を定めているのはどの法律か。それが社会福祉法である。生活保護、障害、高齢、児童といった個別分野の法律が縦糸だとすれば、社会福祉法はそれらに共通するルールを定める横糸にあたる。社会福祉事業の種類(第一種・第二種)の定義、社会福祉法人の設立・運営・ガバナンス、社会福祉協議会の位置づけ、福祉サービス利用者の権利擁護や苦情解決、運営適正化委員会、福祉人材の確保などを規定する。近年の改正では、市町村による包括的な支援体制づくりや、複合的な課題に対応する重層的支援体制整備事業など、分野を超えて地域全体で支える地域福祉の推進が前面に押し出されている。福祉行政の基盤を理解するうえで欠かせない一般法である。
社会福祉事業・法人・協議会の基盤
社会福祉法は、社会福祉を目的とする事業のうち、特別養護老人ホームの経営など利用者保護の必要性が高い第一種社会福祉事業と、在宅サービスなど比較的規制の緩い第二種社会福祉事業を定義する。第一種は原則として行政または社会福祉法人が経営することとされ、ここに社会福祉法人制度が結びつく。法人の設立認可、評議員会・理事会によるガバナンス、財務規律、社会福祉充実残額の地域への還元なども本法が定める。地域福祉の推進役である社会福祉協議会の位置づけも社会福祉法に根拠を持つ。
利用者保護と地域福祉の推進
社会福祉法は、措置から契約へという福祉サービス利用の変化を受けて、利用者を守る仕組みを整えている。福祉サービスの情報提供、契約時の説明、苦情解決の仕組み、都道府県社会福祉協議会に置かれる運営適正化委員会による苦情の解決や、日常生活自立支援事業による判断能力が不十分な人の支援などがその柱である。さらに近年の改正では、住民の身近な圏域での包括的な相談支援体制の整備や、属性を問わず複合課題を受け止める重層的支援体制整備事業が制度化され、分野横断の地域福祉の推進が法の前面に位置づけられた。福祉の個別法を貫く一般法として、行政実務の土台をなす。
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