ジチテン

辺地債

読み:へんちさい

別名:辺地対策事業債
意味

辺地債とは、辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置法(辺地法)に基づき、辺地を抱える市町村が辺地総合整備計画に沿った公共的施設の整備のために発行できる地方債(辺地対策事業債)である。

山間部や離島の集落など交通条件が著しく劣る辺地で、市町村道路・水道・診療所といった生活基盤をどう財源確保して整備するか。辺地債は、こうした辺地の公共的施設整備に充てるため、辺地法に基づき発行が認められる地方債である。辺地法は、人口密度が希薄で公共的施設の整備が他の地域に比べ著しく遅れている区域を「辺地」と定め、市町村が辺地ごとに辺地総合整備計画を定めることを求める。この計画に基づく施設整備の財源として発行される辺地対策事業債は、後年度の元利償還金の8割が普通交付税基準財政需要額に算入される点に最大の特徴がある。財政力の弱い市町村でも実質的な負担を抑えて辺地の基盤整備を進められる仕組みであり、同様の交付税措置を持つ過疎債と並ぶ条件不利地域向けの地方債である。対象となる施設は道路・橋りょう・水道・港湾・診療所・教育文化施設など辺地住民の生活向上に必要な公共的施設に限られる。

辺地の指定要件と辺地度点数

辺地債を発行する前提となるのが、市町村が辺地法に基づき定める辺地総合整備計画であり、その対象区域が「辺地」に該当しなければならない。辺地法施行令は、辺地の中心から最寄りの公共的施設までの距離などを点数化した「辺地度点数」が一定以上であることを辺地の要件とする。具体的には、おおむね5平方キロメートル以内に50人以上が居住する集落を辺地の中心とし、そこから駅・郵便局・小学校・医療機関などへの距離や交通事情を点数化し、その合計が基準点数(おおむね100点)以上である区域が辺地として扱われる。点数が高いほど条件不利の度合いが強い区域と判定される仕組みであり、過疎法が市町村単位で区域を指定するのとは異なり、辺地は市町村内の特定の集落単位で把握される点に特徴がある。

過疎債との元利償還金交付税措置の違い

辺地債と過疎債は、いずれも条件不利地域の公共施設整備を後年度の交付税措置つきの地方債で支えるという共通点を持つが、措置率と対象範囲が異なる。辺地対策事業債は元利償還金の8割が基準財政需要額に算入されるのに対し、過疎対策事業債は7割の算入である。一方で対象範囲は過疎債のほうが広く、過疎債はソフト事業にも充てられるなど弾力的に用いられるのに対し、辺地債は辺地総合整備計画に登載された公共的施設の整備というハード中心の用途に限られる。両者は重複して指定される市町村も多く、ある施設整備を辺地債と過疎債のいずれで起こすかは、対象区域が辺地に該当するか、計画に登載されているか、交付税措置率や充当率の有利不利を踏まえて選択される。財政担当課にとっては、条件不利地域の投資的経費を組む際の基本的な選択肢の一つである。

つながりのある用語

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