許可とは、法令が一般的に禁止している行為について、特定の場合に禁止を解除して適法に行えるようにする行政行為である。本来各人が有する自由を回復させる点で、新たな権利を設定する特許とは区別される。
飲食店営業や建築、道路の使用など、本来は自由なはずの行為が法令でいったん禁止され、要件を満たした者にだけ解除される——この仕組みを講学上「許可」と呼ぶ。許可は本来の自由を回復させるものなので、要件を満たした申請には原則として応諾しなければならず、行政庁の裁量は特許に比べて狭い(覊束性が強い)。無許可で行為をすれば処罰や是正命令の対象となるが、行為自体の私法上の効力までは当然には否定されない点が、私人間の法律行為を完成させる認可とは異なる。実務では、法令の条文に「許可」とあっても講学上は認可や特許に当たる場合があり、名称と法的性質は一致しないことに注意がいる。窓口では、申請に対する処分として審査基準・標準処理期間を定め、拒否する場合は理由の提示が要る。
許可・認可・特許の違い——名称と法的性質はずれる
講学上、許可は「一般的禁止の解除(自由の回復)」、認可は「私人の法律行為を補充して効力を完成させる行為」、特許は「私人に本来ない新たな権利・地位を設定する行為」と区別される。営業許可や建築確認は許可型、農地の権利移動の許可や公共料金の認可は認可型、公有水面埋立免許や鉱業権設定は特許型に整理される。ところが実定法の条文上の名称はこの分類と一致しないことが多く、「許可」と書かれていても性質は認可・特許ということがある。法的性質の違いは、行政庁の裁量の広狭(許可は覊束的、特許は裁量的)や、第三者の行為の効力への影響(無許可行為は処罰されるが私法上有効、無認可行為は私法上無効)に表れるため、条文の文言ではなく性質で判断する必要がある。
申請に対する処分としての手続
許可は私人の申請を受けて行う「申請に対する処分」であり、行政手続法・行政手続条例の規律が及ぶ。行政庁はあらかじめ審査基準を定めて公にし、申請が事務所に到達してから処分までの標準処理期間を定める努力義務を負う。申請を拒否する場合は、申請者がなぜ拒否されたかを理解できる程度に理由を提示しなければならない。許可に期限・条件などの附款を付すこともでき、要件を満たさなくなった場合や公益上の必要から、法令の根拠に基づき撤回されることがある。
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