申請に対する処分とは、許認可の申請のように、私人からの申請に応答して行政庁が許諾または拒否を決める処分のことである。行政手続法第2章が定める処分類型で、行政の職権で相手に不利益を課す不利益処分と対をなす。
行政庁が国民に関わる決定を下す場面は、大きく二つに分かれる。一つは許認可を求める申請に応えて諾否を返す場面、もう一つは違反者への営業停止のように行政の側から不利益を課す場面である。前者を規律するのが、行政手続法第2章「申請に対する処分」である。
申請者の予測可能性と公正さを確保するため、行政庁は諾否の判断基準(審査基準)をあらかじめ定めて公にし(第5条)、申請から処分までの標準処理期間を定めるよう努める(第6条)。申請が事務所に到達すれば遅滞なく審査を始める義務を負い(第7条)、許認可を拒否する場合は申請者にその理由を示さなければならない(第8条)。これらは、職権で不利益を課す不利益処分の手続(処分基準や聴聞等)と対をなす規律であり、同じ処分でも手続を起こす契機の違いによって守るべき作法が分かれる。
行政手続法が定める手続の流れ
行政手続法第2章(第5条〜第11条)は、申請に対する処分の手続を順を追って規律する。行政庁は、許認可をするかどうかの判断基準である審査基準を定め、原則として公にしておかなければならない(第5条)。申請から処分までに通常要する標準処理期間を定めるよう努め、定めたときは公にする(第6条)。申請が事務所に到達すれば遅滞なく審査を始める義務があり、形式上の不備があれば補正を求めるか申請を拒否する(第7条)。許認可を拒否する処分には、申請者に対し同時にその理由を示さなければならない(第8条)。これらは、申請者が結果を予測でき、不当な遅延や恣意的な拒否を受けないようにするための仕組みである。
不利益処分との対比
行政手続法は処分を、申請に対する処分(第2章)と不利益処分(第3章)に大きく分けて規律する。両者は、手続が私人の申請を契機に始まるか、行政の職権で始まるかで分かれる。判断基準も、申請に対する処分では審査基準、不利益処分では処分基準と呼び分けられる。事前手続も異なり、申請の拒否では理由の提示で足りるのに対し、営業停止や許可の取消しのような不利益処分では、相手の言い分を聴く聴聞または弁明の機会の付与が必要になる(第13条)。同じ「処分」でも、誰が手続を起こすかによって踏むべき手順が変わる点が、両類型を分けて理解する意味である。
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