附款とは、行政行為の主たる意思表示に付加される従たる意思表示で、条件・期限・負担・取消権の留保・法律効果の一部除外等の形式をとる行政庁の意思表示をいう。
定義と種類
附款とは、行政行為の法律効果を修正・制限・付加する目的で行政庁が主たる行政行為に付加する従たる意思表示の総称である。附款の主要な種類として以下が挙げられる。条件は行政行為の効力の発生または消滅を将来の不確実な事実の発生にかからせるものであり、停止条件と解除条件がある。期限は行政行為の効力の発生・消滅を将来の確実な事実(期日)にかからせるものである。負担は主たる許可等とともに相手方に特定の義務を命じるものであり(例:許可に伴う報告義務・施設基準の遵守)、主たる行政行為の効力を左右しない点で条件と異なる。
附款の限界
附款を付加できるのは、法令に附款を付加することを認める規定がある場合、または行政行為の性質上附款と両立するため裁量の範囲内と認められる場合に限られる。附款の内容は主たる行政行為の目的に関連し比例原則に適合する必要があり、目的外の負担や過度な制限は違法となる。許可に付された負担が違法である場合、相手方は負担のみを取消訴訟の対象とすることができるかについては学説・判例上争いがあり、附款の独立取消可能性として論点化されている。附款を設定する際は比例原則・平等原則に反しないかを事前に法務担当が審査することが望ましい。
取消権の留保
附款の一形式として、行政庁が将来一定の事由が生じた場合に処分を取り消す権限を留保する取消権の留保がある。許可証に記載される「法令違反があった場合は本許可を取り消すことがある」といった条項がこれにあたり、法令上の明文がなくても裁量権の範囲内で付加できるとされている。取消権の留保は行政庁に将来の柔軟な対応を可能にする機能を有するが、恣意的行使は許されず、取消権行使の際も比例原則に従った判断と手続きの保障(聴聞等)が必要である。留保の内容・発動要件は許可書に具体的に記載することで相手方の予測可能性を高めることができる。
自治体実務における附款
自治体が行う許可・認可等に附款を付加する場面として、建設工事許可に付随する工期・施工方法の条件、補助金交付決定に付随する用途制限・報告義務の負担等がある。附款の内容は許可書・交付決定書の条件欄等に明示し、相手方への周知を徹底することが後の紛争予防につながる。附款の履行確認は事後の監督業務として行政庁が責任を持って実施することが望まれる。附款を逸脱した行為(用途外使用等)が判明した場合は取消権の行使・補助金返還命令等の是正措置を講じることになる。
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