ジチテン

災害査定

読み:さいがいさてい

意味

災害査定とは、自然災害で被災した公共土木施設などの復旧事業について、国庫負担の対象となる工事の範囲と事業費を、国の査定官が現地調査のうえ決定する手続である。

被災した道路や河川を直す費用に国がどれだけ負担するのか——その金額を一件ごとに確定する関門が災害査定である。公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法に基づき、市区町村や都道府県が被災施設の復旧計画と事業費を申請すると、国の査定官(財務省の立会いのもと国土交通省・農林水産省などが派遣)が現地に赴き、被害が災害によるものか、復旧工法や事業費が妥当かを調査して負担対象額をその場で決定する。原則は被災前の機能を回復する原形復旧で、原形復旧が不適当な場合に限って改良復旧が認められる。難しいのは、査定を受けるために被災直後の混乱のなかで測量・設計・積算を急いで整えなければならず、査定の結果しだいで自治体の財政負担が大きく変わる点である。応急工事や仮工事は査定前でも国庫負担の対象になりうるため、復旧を止めずに進めつつ査定の準備を並行させる段取りが、被災自治体の土木・財政担当に重くのしかかる。

原形復旧が原則、改良復旧は例外

災害査定で認められる復旧は、被災した施設の従前の効用を回復する「原形復旧」が原則である。ここでいう原形復旧は、壊れる前と寸分違わぬ形に戻すことではなく、施設が果たしていた機能を取り戻すことを指す。原形どおりに直すのが不適当な場合(同じ災害が繰り返される恐れがあるなど)に限り、形状・材質・構造を変えて再度の災害に強くする「改良復旧」が認められる。どこまでが原形復旧でどこからが改良かの線引きが、査定の現場で論点になる。

査定を待たずに復旧は始められる

災害査定は事業費を確定する手続だが、復旧工事の着手を査定まで待つ必要はない。仮道路や仮締切などの応急・仮工事、緊急性の高い復旧は査定前に着手でき、それらも国庫負担の対象になりうる。一方で、査定の段取り(被害写真の記録、測量・設計・積算の準備)を被災直後から並行して進めておかないと、査定で必要な資料が揃わず負担対象額が削られる恐れがある。復旧を止めずに進めつつ査定資料を整えるという二正面の対応が、被災自治体の担当部署に求められる。

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